SSブログ

近衛予備隊-289 [高校生バトル-71]

 非公式な場だからこそ王国騎士団のリーダー達と活発な意見交換が出来たと思う。

「高等学校に変わっても希望者には近衛予備隊の隊員資格を与え、大規模災害時や何かしら人手を必要とする時には、我々王国騎士団と共に働いて貰うと言うのではどうでしょう。
 メリットは隊服が支給されることぐらいにして学校とは別の研修を少しだけ。」
「そうだな…、それも有りか。」
「高校毎やその専攻毎に部隊を編成しても良いのでは有りませんか。
 部隊名は自分達で考え部隊長は自分達で選ぶ。
 部隊間で何かと協力し合いながら競い合ってくれたら、隊服ぐらい安いものだと思います。」
「王子、予算的にはどうなのです?」
「高等学校は共和国の予算で運営して行こうと思ってる。
 入学したら、そのまま大学教育の内容まで進んでも良いし、実習の延長で就職するも良し。
 それぞれの力量に応じて、王国騎士団を目指したり、大統領親衛隊に入隊したり。
 ずっと学校で研究を続けるのも有りだな。
 実習での成果が上がらないと、共和国の予算では賄えきれなくなるかも知れないが、王国騎士団の活躍を見てるからあまり心配していないんだ。」
「王国の予算は余裕がなくなって来てるのです?」
「そんなことは無いのだが、王国では芸術関係に力を入れられないかと思っていてね、王立歌劇団とか王立管弦楽団、そのメンバーになる為の学校とか。」
「直ぐには収益に結び付きにくい部門を王国の予算でと?」
「初期投資はそれなりになるが、収益は考えてるよ。
 算数の苦手な子でも自分の力を発揮出来る場に、新たな可能性を感じないか?」
「確かにそうですね、観光客を楽しませることも我が国にとっては大切なことです。」
「国民にも趣味の幅を広げて欲しいと考えているんだ、公営ギャンブルで散財して欲しくは有るがそれだけでは寂しいだろ。」
「その切っ掛けにと?」
「ああ、遠江王国では街中に花が、そして市民コーラスを始め音楽活動が盛んだった。
 普通の市民が趣味で絵を描いてる光景も、それが一つの風景として成り立っていてね。
 まあ、酔っ払いが騒ぎ、人々がギャンブルに興じる我が国の様も悪くは無いのだがな。」
「しかし、近衛予備隊の隊員として育って来た自分には残念な気持ちになる光景です。」
「この国はまだ成長の途中、焦らずに、でも着実に国民の資質を高めて行きたいと考えているんだ。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。