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近衛予備隊-16 [高校生バトル-44]

 解散後、ルーシーと俺は乗るバスを一本遅らせ教官と話をした。

「今日はどうだった?」
「店内の様子は第一部隊が撮影してくれた映像で何となく分かっていましたが、会計システムには驚きました、あの様なシステム、諸外国では当たり前なのですか?」
「カードの利用は一般的になってるが、店内の会計で全く現金を使えない店は多くないだろうな。」
「そんなシステムをここに導入するのは理由が有るのですよね?」
「勿論だ、馴染の無いシステムで最初は戸惑う人も多いだろう、ただ、第一部隊が活躍してる店でも現金の管理に手間が掛かっていてな、それでプリペイドカード完全導入を試してみたいとなったんだ。
 店自体がこの国では特別な存在なのだから、会計システムが特別でも違和感はないだろ。」
「はい、ここでしか買えない商品を多数扱うと聞いています。」
「ここは株式会社SHIORIが日本以外で展開する店の七店舗目になるのだが、これまでオープンした店はどこも盛況でな、初期投資の額は少なくないが借り入れ金は計画通り順調に返せている、ここもプリンセス詩織の滞在を起爆剤として売り上げを伸ばせるだろう。」
「俺達の知ってる店とは全く違うので、自分がきちんと働けるのか不安です。」
「心配しなくても大丈夫、大人の従業員だって似た様なものさ、社員研修もすぐに大人達を追い越せると思うよ。」
「広い店舗ですが、店の従業員は充分確保されているのですか?」
「そこが少し微妙でな、当初の計画通りに進んではいるのだが、各店舗への来客数の伸びが予想以上で、ここも増員しないと混乱し兼ねないとなってね。
 従業員寮の建設計画を前倒ししたが間に合わない、近隣のホテルも開業時に他国からの応援者を受け入れる関係で余裕は無いんだ。
 それで近隣に住む人を対象に追加で従業員募集をしているのだが、難しそうでね。」
「その気の有る人は既に従業員になっていますからね、残ってる人は雇わない方が良いかもですよ。
 それより、予備隊を増強すると言うのはどうです?
 二期生の募集は先の予定でしたが、後輩たちの中でも成績優秀者を中心に前倒しての入隊は悪くないと思います。」
「ああ、若い従業員は他の店でも評判が良い、シャルロット以外にもお勧めの子は居るのかい?」

 勿論だ、店の噂とともに俺が予備隊隊長になる話は正式決定より随分前から広がっていて、仕事を求めて町へ出ることを避けたい子、特に女子からは、入隊に関する相談を幾つも受けてもいた。
 それも有って提案したのだが、教官が直ぐに乗ってくれたのはシャルロットを紹介してあったからだと思う、シャルロットの能力は教官達の間でも話題になる程なのだ。
 他の子達も能力に差は有るものの、皆可愛くて良く分からない大人より余程信頼出来る子達で、今日教えられたレジのシステムならば全く問題無いと伝えておいた。
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