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バトル-351 [高校生バトル-36]

「お兄さま、試験的に傘下の工場と協力工場とで人的交流を試みたのですが思わぬ展開になりましてね。」
「詩織、思わぬって?」
「特に関連性の無い工場なのですが、研修の一環として互いの工場で働いて貰ったのです。
 その過程で親睦が深まり、互いの事情を話す中で繁忙期の話題に、協力工場は原材料の収穫時期に忙しくなるのですが、その時期だけ人を雇うのが難しくなって来てるとか。
 丁度その時期、もう一つの工場は仕事量が少なく成るそうで、年間を通して安定した仕事量にならないのが悩みの種でも有ったのです。
 年末には逆になりますので、互いの都合をきっちり調整と言うのは難しいものの人員を調整し、応援し合う体制を作ろうとなりました。」
「好都合なのだろうが製造している物は違うのだろ。」
「今回の交流を通して普段とは違う物の製造に携わると言う事が良い気分転換になったと言う人が多かったそうです。
 作る物は違っていても製造業の基礎は同じですので、今後も作業員を交換して研修をして行くことに、また工場管理などでも互いに学ぶことが有ったとかで、今回の人的交流は成功でした。」
「しかし、相手の工場では教えられる立場となりプライドが邪魔する人もいたのではないかな?」
「それは有ったでしょうが、どちらも社内改革を進めている最中で意識改革を進めています。
 仕事を見つめ直す、と言う取り組みの一環でも有りましたので目立ったトラブルは無かった様です。」
「タイミングが良かったのかな。」
「ですね、若い社員からは男女問わず他社の社員との交流を楽しんだと言う声が聞かれたそうで、ある意味出会いの場ともなりました。」
「出会いの場は限られるからな、他の企業でも試してみるのか?」
「地理的な条件などが合えば進めてみたいのですが、なかなか条件の合う所が有りません。
 それでも今回の事例を公表して行けば、グループ企業同士の交流を考えて下さる企業が増えるかも知れないと考えています。」
「だな、単独の企業では出来なかったことが出来る様になるのだから。」
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