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梶田梨乃-04 [F組三国志-04]

 えっと、奨学金に特待生か、私が本当に大学を目指すのなら色々道はあるってことなのね。
 それにしても…、矢野さんたちの調査、他の人たちは簡単なアンケートだったみたいなのに、私は個人面接で…、調査というよりもカウンセリング…。
 省吾さんや秋山さん、私のことを気にしてくれてたんだ。
 ふふ、省吾さんは、さりげに大学生の人達に指示してなかったかな。
 ほんとに、不思議な人だなあ。
 でも、今日行って良かった、心が晴れた。
 そうだ、チーム正信に入れて貰おうかな。
 正信くんも林くんも誘ってくれてるし。
 省吾さんも秋山さんも喜んでくれそうだ。
 私もF組のほんとの仲間に…、うん、すごくなりたい。
 でも、高山さんの話しはどうしよう…。
 父さんに話してみようかな。
 高山さんはだめで元々、取り敢えずお父さんに頼んでくれないかって。
 そう言えば、他にも考えてることがあると、帰り際に省吾さんが話してた。
 あ~、テスト勉強もしなくっちゃだし…、う~ん、こうなったら全部すっきりしてから思いっきりやろうか。
 うん、父さんに話してみよう…。

「今日はどうだったの、梨乃?」
「母さん、行って良かったわ、英語とかはかどったし、大学生の人からもアドバイスを貰えた。」
「大学生も来てたのか?」
「うん、お父さん、それでね…。
 私、経営学を学んでみてはどうかって勧められてね。」
「そうか、経営学か。」
「実は、うちのクラスに赤澤省吾、秋山美咲ってカップルがいて、二人でF組を引っ張ってくれてるの。
 その二人が、私がちょっと悩んでいることに気付いて、大学生の人に話しを持ち掛けてくれたみたいでね。」
「すまんな、進学のこととか、会社の調子が良ければ、お前が悩むことじゃなかったのに…。」
「ふふ、でも大学へは奨学金制度が有るし、がんばって特待生という選択肢も有るって教えて頂いたのよ、省吾さんが私のために特待生の大学生を呼んでくれて。」
「えっ、わざわざか?」
「そうみたい、色々教えて貰って、がんばる気になったわ。」
「良い男なのか?」
「はは、そうね、とっても、ただ残念ながら秋山美咲さんとアツアツだから…。
 でね経営学部の人からの提案っていうか、お父さんへのお願いが有ってね。」
「ああ。」
「お父さんの会社の経営状況とかを研究対象にしたいって、もちろん手伝えるところは手伝うからと。」
「えっ、どこの学生?」
「そう言えば矢野さんたち、大学の名前は言わなかった…、でも、え~と、省吾さんのお父さんの大学なのだから…、国立の筈。」
「そうか…、今、手詰まりな感じがしてるから…、梨乃、返事は何時までに?」
「何時でも良いって言ってみえたけど。」
「そうか。」
「父さん、乗り気?」
「まあ、藁にもすがりたい状況…、でも、まだ余力はある、ぎりぎりになってからでは遅いんだ…。
 きちんとした大学との繋がりはプラスになるからな。」
「明日も勉強会に行くけど。」
「そうか、よし明日は父さんが送って行って、学生さん達と話しをしてみようかな。」
「うん、じゃあ、私、連絡入れておく、みなさん喜ぶと思うわ。
 私も頑張るからね。」
「ふふ、梨乃のそんな笑顔、久しぶり、母さん嬉しいわ。」

 へへ、そうかも、そうだ、省吾さんも紹介しなくちゃ、自分の彼氏って紹介出来ないのが残念だけど…。
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