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大銀河帝国-06 [シトワイヤン-32]

町に滞在中、巡礼者を標的に自爆テロを計画していた者が、姫さまの祝福を感じて投降してきた。
舞姫さま特別警護隊を緊張させたが、それは以前にも有った事、姫さまの力を改めて確認出来、安心させもした。
警護隊にとって悩ましいのは姫さまがしばしば宙に浮いてしまわれること。
狙撃されたらと思うと、何も出来ない自分の無力さを感じるのだが、宙を舞う姿が美し過ぎて、見とれてしまうそうだ。

「姫さま、今回は宙に浮かれる事が今までより多いのですが、何か理由が有るのですか?」
「宗教に関係している人達は過去の亡霊に縛られていると思いませんか、民族間の対立もですが。」
「そうですね。」
「そんな人達に向けて、宇宙人みたいな私の存在をインパクト有る形で示す一番の方法だと思うのです。」
「警護隊からは無防備過ぎて心配する声が、一応、姫さまの足が地を離れると姫さまを視認出来る範囲の警戒度を高めてはいるそうですが、せめて高さは控えめにして頂きたいとか。」
「そうね、気を付けるわ、でも多くの人にハヤブサと共に空を舞う姿を見て頂きたくも有るのです。」
「あのハヤブサは姫さまのことを覚えていたのですか?」
「それはあの子に失礼です、飼い主が嫉妬するぐらいに仲良しなのですから。」
「そうでしたか、確かに随行のカメラマンが撮影した姫さまの腕にとまるハヤブサの写真は誇らしげに見えました。
明日からはリムジンバスでの移動になりますが、マスコミ関係者はハヤブサを旅のシンボルにしたいと話していまして、彼と絡むシーンを色々撮影したいそうです。」
「移動中は変化が少ないですものね、バスの車内や停車時などにカメラマンにサービス出来る様、考えておきます。
後、警護隊の人達とのシーンもお願いしたいですね、非番の方々と。
多国籍をアピールしたいですし、下手でも私がアラビア語を使えば、中東を重視しているとアピールすることにもなると思います。」
「彼らも喜ぶでしょう、警護隊に選ばれただけでも名誉だと考えている連中です。
今の所、最新の監視機器は正常に働いているそうで、明日からのルートに問題は無いとの報告を受けています。
本当に緊張感が高まるのは先の事ですので、明日はリムジンバスに乗り込む隊員達と交流して下さい。
リムジンバス内でしたら何を話されても構いません、撮影はしますが外部へは編集したものしか出しませんので。」
「そんなややこしい話はしませんよ。」
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