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舞姫さま-10 [シトワイヤン-31]

大銀河帝国がお遊びの範囲を大きく超え始めるのに時間は掛からなかった。
正式な国家としてして認める動きが広がり始めた事と、かなりハードルを高くした地球防衛軍の正規部隊、幹部候補生に多くの優秀な人が応募した事が大きい。
バーチャル帝国から、国土を持たないがリアルな国家への移行は、今までにない国家形態という事で国連で揉めたが、水没の危機を感じている一つの島国が大銀河帝国領になると宣言してから大きく動いた。
元より国連に加盟するつもりは無かったので、大銀河帝国建国宣言を行う事に躊躇いはない。
舞姫さまの意向という事で、宣言の場所は中東の王国、その地下神殿を選んだのは、単に王子さまの顔を立てるというだけでなく、中東を重視しているという政治的メッセージでもある。
王子さまは鎮魂の舞を撮影する為に整備していた地下神殿を、建国宣言の日に向け更に充実させている。

「大銀河帝国の女王さま、その国籍は日本のままって不思議な形に納まりそうなのね。」
「各国の法律との整合性も有るし、大銀河帝国国民の国籍を全員出身国に置いたままにすることで、国境を越えた活動として強調出来るでしょ。」
「ええ、大銀河帝国領になる国の国籍を取得する条件も厳しく、帝国に憧れてる人は多いから安易に国籍を取得されてもね。
観光では訪問し易くするけど、それ以外の長期滞在は制限、まずは現在の国民が安心して暮らせる状態にするのが先決。
大銀河帝国建国宣言時に唯一の領地となるのだから、苗川の様な楽園にする為に島々の調査と生活の向上に向けて多くのスタッフが入ってるとは聞いたけど…。
ねえ、万里は、建国宣言する事にプレッシャーとか感じていないの?」
「それ程はね、だってほとんど名前だけの女王でしょ、姫さま扱いにはもう慣れたし。」
「でも、永遠の女王、たとえ舞姫さまが銀河の果てに旅立つ事が有っても、唯一の女王として変わる事は無く、帝国臣民は舞姫さまに絶対の忠誠を誓うのよ。
跡継ぎ問題を軽くするためとは言え、宗教に於ける絶対的存在と同じでしょ。」
「そうね、せめて地球にいる間は舞姫を頑張るしかないみたい。
でも、今後どうなって行くのかは神のみぞ知る、でしょ。」
「ほとんど女神さまの万里がそれを言うのか。」
「帝国と言っても、国連が果たしきれなかった役割を担うという意味合いも有るのだからね。
大銀河帝国所属を宣言する企業からの税収がどれぐらいの額になるのかも楽しみだな。」
「所属する国に納税した上で自主的に、実質寄付とはいえ帝国の国家予算を潤しそうなのよね。
舞姫フレンズの人達は、大銀河帝国への納税額が企業のステータスシンボルになるように動いて下さった、それは舞姫さまに対する感謝の献金だそうで、万里がとてつもなく多くの人の心に安息を与えた事の結果、お金だけでなく帝国を発展させる為に多くの人が動き始めている。
もう、万里を中心に世界が回っている様な状態よね。」
「それは言い過ぎ、でも世界中の人達が地球市民という視点で考え始めてくれた証なのだから嬉しいことだわ。」
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