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舞姫さま-09 [シトワイヤン-31]

バーチャル王国は大銀河帝国と名付けられた。
帝国という名称に関しては異論も有ったが、スケールの大きさを示すのには悪くないという事で採用された。
立憲君主制では有るが、白い物でも女王さまが黒だと言ったら黒、という内容も憲法に謳われている。
憲法第一条では『大銀河帝国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
この目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』と、某国の突っ込みどころ満載の憲法からパクってあるが、武器を一切持たず地球を災害などから守る地球防衛軍の存在は憲法にはっきり明記された。
正式な国土はバーチャル空間にしか存在しないので、国境は存在しない。
ただ、リアルでも舞姫さまの社、舞姫さまの森、株式会社舞姫などに関連する企業の所有地などは、大銀河帝国とそれらが所属する国家とで平和的に共有している事とした。
行政と立法は地球市民党の幹部が担うが司法に関しては、直接関係する国の司法にお任せとなる。
帝国として可能な罰則は、国民としての権利を剥奪し、帝国サイトでの自由度が著しく制限されるぐらいしか用意出来ないからだ。

「万里、バーチャルの筈なのに、国として認める動きが本格化しそうなのだけどどうするの?」
「まだ数か国でしょ、取り敢えず苗川に大使館を置くとか、でも、ある意味国家の資産が小国のそれを上回っているのだからおかしなことではないのよね。」
「国土が微妙なんだけど。」
「国は国土に由来するのね、水没しそうな島国はどうなっているのかな?」
「あそこを本当に手中に納めたら面白いわ、バチカン市国みたいな存在として、世界中の舞姫フレンズにとっての聖地に、でもリアルな国家となったら国籍とかややこしい問題が発生するのでしょうね。」
「世界を一つの国と出来たら良いのだけど、大銀河帝国に関係する土地がかなりの面積になったとはいえ、地球規模で考えたら、まだ微々たるものだからなぁ。」
「それでも、貴族として舞姫さまに忠誠を誓いながら、自分の土地を広げ帝国領にしていくという動きが有るでしょ。」
「舞姫騎士団や本間塾の塾生が増えたからね、リアル国家と問題を起こさなければ良いのだけど。
個人的に自宅を帝国領だと主張する事が流行り始めているのはどうなるのかな。」
「お遊びの範疇だから大丈夫でしょう。
バーチャル帝国のマップ上に仮想の家を建て、リアルとリンク、現実では狭くて古いワンルームマンションでもバーチャルでは豪邸に出来るのだから夢が有って良いんじゃない。
バーチャル空間にはどんどん町が増えてるでしょ、ゲームに参加してる人達は多国籍の人が住む町作りを楽しんでるみたいだし。
地球防衛軍は無給の予備役としてスタートしたけど、志願者に対する研修を始めたのは正解みたいね。
過去の大災害から、その時、組織的に動くことをテーマにネット上でシミュレートしてるでしょ、研修を通して意見交換がなされてるだけでなく、災害に対応した経験の有る軍関係者も、正式に政府の許可を得た上で参加し始めてるから、自然災害に対応する組織として充実させて行けそうね。」
「災害を未然に防ぐことも考えて行くべきよね、そろそろ地球防衛軍の正規隊員、まずは幹部候補生を募集し教育を始めても良いのかな。
ねえ、こういうのって私が指示を出すの?」
「舞姫さまの一言で、どれぐらい動くのか見てみたいわね、百人分ぐらいの予算なら私の一存で動かせるよ。」
「では、地球防衛軍の運営スタッフに連絡を、う~ん、紙に書いた…、命令書みたいのを作った方が喜んで貰えるのかな。」
「そうね、女王さまのサイン入りのをね、スキャンして姫さまからの指示、第一号として公開しましょう、地球防衛軍本格始動に向けてね。」
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