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舞姫さま-07 [シトワイヤン-31]

翌日。

「え~、バーチャル王国構想を姫さまに見抜かれてたとは、面白い発想で、喜んで頂けると思っていたのにな…。」
「まあまあ、詳しく聞いてあげるわよ、ね、万里。」
「遊び半分で始めるのが一番無難で上手く行く確率が高いと思うかな、で、どんなお遊びになるの?」
「姫さまに忠誠を誓い王国の民となると、国民特典映像を見られたり、DVDやグッズの情報を一足早く得られたりする他、シミュレーションゲームに参加出来たりします。
このゲームでは同じ言語を使う人同士はルールに則っとり普通にチャットやメールのやり取りが出来ますが、定型文に限り自動翻訳で他言語の人とも交流出来ます。
今の所十一の言語でスタートの予定ですが、この定型文は順次増やして行き、言語学習にも使える様にして行きます。」
「全く知らない言語を使う人とも交流出来るという事ですか?」
「翻訳ソフトほどの語彙を持たせない代わりに精度は高くなります。
全く知らない国の人と協力し合ってゲームを進めて貰えたら世界平和に繋がるかも知れません。
すでに国境を越えたゲームは存在するのですが、対話の内容は限定されるにしても自動翻訳機能は充実していないのですよ。」
「王国とせず、舞姫フレンズとして展開しても良いと思うのですが。」
「そこは、まあ、市民政党がバーチャルからリアルになっていった様に、リアルでも王国の領土を、すでに正式にはリアル国家のもので有っても実質的に王国の一部として使える土地は広がっています。
水中都市計画もそこに絡めて、我々の都とするのです。」
「小国を乗っ取るのですか?」
「乗っ取るだなんてとんでもない、事業計画を提示したら、すべて姫さまにお任せしたい、みたいな感じなのですよ、姫さまの情報は把握しているみたいで。」
「和馬さん、舞姫さまの森とかも、日本と王国の共有みたいな設定にするのですか?」
「そうなるね、税金は日本に納めるだけで良いから智里は心配しなくて大丈夫だよ。」
「王国の国民はDVDやグッズ購入が納税の代わりになるのね。」
「収入はそれだけでなく、我々の企業収入も、その利益の一部を王国の国家予算に組み込む形で集約するのも有りだと考えている、その予算で既存の国家に出来ない事をして行きたいね。」
「具体的には?」
「主に国家間の紛争調停とか、国連とは違った角度から切り込んで行く動きが有って良いと考えているよ。」
「地球市民党や舞姫フレンズとの関係は?」
「地球市民党は今までどの国家にも属していなかったが、バーチャル国家に属して、国境を意識しない世界を目指す、舞姫フレンズの多くは王国の民となってくれると思うだろ。
組織的な問題は残るが、国王が舞姫さまなら一本化も難しくない。」
「それなら、国家として難民を受け入れ職業訓練をし、自活出来るように出来ないかな。」
「リアル国家と相談になりますが、舞姫さまの名の下に多くの人や企業を結集出来れば、それも可能だと思います。
いきなり大勢押し付けられても対応しきれませんが。」
「そうね、難民の方の中から難民対策で働く職員を採用し教育して行く所から始めないとね、人数にもよるけど、私のお小遣いを使っても良いですよ。」
「姫さまはそんな心配されなくて大丈夫です。」
「お小遣いに余裕は有って…、頑張って使わないと増える一方なのよ。」
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