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改革-01 [シトワイヤン-29]

国賓のお供としての滞在、緊張はしたが快適に過ごせた。
それは姫さまも同じだったようで、特に鷹匠用の腕カバーをプレゼントされ、仲良くなったハヤブサを腕に止まらせたり、ラクダに乗せて貰うという体験は何時も以上に楽しそうだった。
そして、王子に見送られ二つ目の訪問地へ飛ぶ。

共和国の空港に着陸。
だが、しばらく飛行機内に留まる様、指示を受けた。
そのしばらくが長い。
着陸後二時間ほどしてようやく情報提供。
着陸の少し前、姫さまの到着に合わせ自爆テロの準備をしていた者達が出頭して来たそうだ。
彼らは姫さまの祝福を感じてか洗脳が解け、すっかり自爆する気が失せたが、使命を果たさなければ、どんな目に合わされるか分からないと保護を求めて来たのだと言う。
それを受けて、軍と警察が安全確認に動いている。
その指示を出している連中も姫さまの祝福を感じ、絶対に守るべき存在だと気づいたそうだ。
そうでなくとも、王国の国賓がこの国で襲われでもしたら、戦争になりかねない。
襲った連中が反政府組織で有ったとしてもだ。
結局、四時間ほど機内で待たされたが、その間に準備が整い、ホテルまでの道は軍の兵士によって守られ、当初の予定に無かった歓迎を受ける事となった。
待たされてる間も、姫さまの祝福は人を選ばず癒していたと思う。
それは兵士達の態度に現れていて、王国で国賓として迎えられた時と同じ丁重な扱いを受けた。
我々を招待した実業家は到着時の不手際を詫びたが、これで国を挙げての歓迎が出来ると話す。
王子とは違い、思うように行かない事が多々有ったようだ。
それでも歓迎の晩餐など、王国と遜色のないもてなしをしてくれた。

「智里、姫さまはどうしてる?」
「部屋で通訳の女性と話してたわ、この国の実情を教えて貰うとかで。」
「スタートでつまずいたが、大丈夫かな。」
「多分ね、待たされてる間もマイペースで調べものをしてたから。
今日は本格的な武器を目の当たりにして少し考えてたけど。」
「あの武器に実弾が入ってると思うと落ち着かないよな、つくづく平和な日本を実感したよ。」
「日本で世界平和を語っていても、世界の現実を実感出来ていなくては、まさに机上の空論ですね。」
「しかし我々の到着に合わせて自爆テロを計画していたとはな、スタッフの話では最近無かったそうだ。」
「やはり、宗教的な意味合いから万里の到着に合わせたのでしょうね、警備体制が分からず私達を直接の標的とはしていなかったと聞きましたが。」
「王国での状況は、こちらにも伝わっているだろう、多くの人が胸の前で手を組む様を映像で見て、どう思ったかだな、映像を通しても祝福は感じられたと聞くが…。」
「通訳の女性はイスラムの戒律に対して否定的でした、学歴の高い人ほど疑問を抱いているとか。」
「ただ、全体的にどうなのかは分からないよな、彼女の様な人が少数派で有る可能性は否定出来ないだろ。」
「でしょうね、思っていても口にも出せず従うのみの人は少なくないかも知れません。
戒律が社会の常識な訳ですから、疑わない人ばかりでもおかしくないです。」
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