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社-09 [シトワイヤン-28]

言葉に関して不自由しなかったのは英語を話せる人達が世話をしてくれたからだ。
彼らは色々な事を教えてくれた。

「王子は女性差別を無くして行こうと考えておられるようです。
日本の少女を国賓として迎えるのは、どう考えても異例なことですが、今回の事を女性の地位向上の象徴にしたいとか、でも宗教指導者とは対立が有って、女性スタッフの方々は王子に頑張って欲しいと口々に話しておられました。」
「そういう事か、ならば我々も協力しないとな。」
「今でも周辺諸国に比べればマシだと話してたわね、それでも納得出来ないおかしな戒律が有るのだとか。」
「宗教指導者たちはどうしてるのだろう、姫さまの祝福は人を選ばないだろ。」
「姫さまを国賓として迎える事に反対していた人達は静かになったそうです。
明日は舞姫さまの社で舞を披露、全国放送されるそうですので色々楽しみですね。」
「パリでも舞の時は祝福の力が強まったからな、同じことが起きれば宗教指導者達も考える事が増えるだろう。」
「また宙で舞って下さったら、パリの比では無いかも。」
「姫さまの事、女性スタッフ達はどう捉えていた?」
「大きな声では言えないけど、祝福を感じて、イスラムの教えなんてどうでも良くなった、という人がいたわよ。」
「それって、国としては困ることじゃないのかな。」
「王子としては政教分離を進めたいみたい、因みに王子の支持者は多いそうで、次期国王になって改革を進めて欲しいのだとか。」
「でも、簡単ではないということか…。」
「そこを姫さまの力でということなのでしょうね。
すでに多くの人が祝福を感じ、更に今は祝福を感じられるエリア目指して人が集まって来ているとか。
でも国賓なのだから宗教指導者も止められないでしょう。
明日は巡礼の目的地が舞姫さまの社になりますが…。」
「宗教指導者にとっては、新たな異教徒の聖地が国内に出来ると感じてもおかしくない、そこへ向かう巡礼の民は異教徒では無く自分達の教えに従って来た人達、明日、何事も無く舞を披露して頂ければ良いのだが。」
「姫さまの祝福によって暴力的な衝動は抑えられていると思うけど、少し心配では有るわね。」
「王子としては宗教団体ではなく、舞姫フレンズをファンクラブとして組織化して行きたいと話していた。
舞姫さまという美しきパフォーマーのファンクラブが宗教指導者にとやかく言われる筋合いはないという事だな。」
「それを、素直に受け入れるでしょうか?」
「そこが王子の挑戦だね、彼は舞姫フレンズを通して少しずつ意識改革を進めて行きたいとも話していたよ。
何年か先に戒律を緩く出来る様に、王国で有っても国民の資質を上げて行きたいのは、地球市民党と同じだそうだ。
まあ、宗教指導者達だって何時までも生きてる訳ではないからと笑ってたよ。」
「そうね、舞姫フレンズとなれば、宗教について考えるのは自然な事だわ。
王子は姫さまの力で国を変えるつもり、だから、まず、舞姫さまの社だったのね。」
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