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巡礼-06 [シトワイヤン-27]

舞姫さまからの、宗教について見直すというメッセージは、宗教が舞姫さまという存在とどう向き合って行くのか、という議論が出始めていることに対してのものでもある。
また、市民政党若葉や地球市民党は、より良い社会の形成を目指して目標を掲げているのだが、それは良き市民有って初めて成り立つこと。
その為には、長年に渡り宗教中心に行われて来た徳育的なことを、社会学に基づき科学的に行う必要が有ると考えている。
特に多種多様な宗旨宗派の党員を抱えている地球市民党にとっては、宗教を尊重しつつも、党員として共通する価値観を党員たちが持つことが必要だ。
今は、こういった市民教育をまず日本でと考えているのだが、宗教的に緩い日本で良い方向性を見い出せなかったら、世界規模では到底叶わないと思う。
姫さまに神社仏閣を巡って頂くのはそんな想いも有ってのことだ。

「姫さま、今回のルートは神社仏閣が多いですが、本当は遊園地とかに行きたいのでは有りませんか?」
「それは…。」
「愛華さん、万里は遊園地、苦手なんです。
万里が小学生の頃、親に連れられて行った事が有るのですが、下の妹が平気な乗り物でも嫌がって。
ねえ、どうしてだったの?」
「なんか落ち着かなかったかな、苗川の森に帰りたいってずっと思ってた。
売店のアイスも苗川駅前の昇竜軒に比べたら全然だったし。」
「まあ、お蔭で私はほぼ二個を食べることになったのだけどね。
神社でよく遊んでいたから、神社仏閣巡りには抵抗が無いよね。」
「木が多いでしょ、ヨーロッパでは木の多い所へあまり行けなくて、私という一匹は木に囲まれて小鳥やリスと遊んだりするのが好きな生き物みたいなの。」
「今回はそういう時間を取って有るから安心してね。」
「ええ、人間を被写体にするカメラマンだけでなく、野鳥などを専門とする方にも同行して頂く時間が有り、お話を聞かせて頂けるそうで楽しみです。」
「色々な撮影が続くと思うけど大丈夫?」
「はい、平気ですよ、カメラを意識しない癖がついて来たというか、まあ、皆さん距離を取って下さいますので。」

実際、姫さまはリラックスされているようで、二日目に訪問したお寺では終始笑顔で受け答え。
緊張し困ったのは僧侶達の方で、祝福を感じてどうして良いのか分からず、結局胸の前で手を組んでいた。
手を合わせる対象ではないが尊い存在、自分達の宗派とは無縁の存在に優しいオーラで包み込まれて大いに戸惑ったのだと思う。
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