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パリ-16 [シトワイヤン-26]

パリでのイベントが旅行中公式行事の最後、後は観光と休養となる、各自、それぞれのスタッフから報告を受けたり指示を出したりしながらでは有るが。
本間市長は休養日としテレビを見たりして過ごしたそうで。

「お疲れ様、今日も大勢の人に囲まれてたが、舞姫さまより智里ばかりが目についていたな。」
「本間さん、もしかして私達が何処で何をしていたのかテレビで確認済みですか?」
「ああ、通訳の人に同席して貰ってね、下手に出歩くより楽しかったよ。
カメラマンは姫さまをなかなか捉えられなくて苦労してたみたいでね。」
「今日はプライベートと言う事で取材関係を控えて貰いカメラも近づかない様にして貰いました。
同行のスタッフも慣れて来てテレビ局関係者とも上手く調整してくれているのです。
万里はガードが堅くて周りが見づらいと嘆いていましたが、警備担当者はスーパーVIPを狙撃される可能性の有る状態には出来ないと。
テロとか経験している国からすれば、日本は平和ボケしてるという事なのでしょうね。」
「そうか、苗川でも警備の見直しが必要かな。
舞姫さまは殺しても死なないとか、薬物中毒患者みたいな人が話していたそうだよ。」
「怖いですね、万里は人を疑う事を知りません、悪意を向けられた事が無いのです。」
「パリに来てからずっと感じてる、この包み込む様な暖かさを感じていたら、普通は舞姫さまに危害を加えようなんて考えられないと思うのだがな。
ホントにここまでパワーが増してたとは思ってなかったよ。」
「はい、ローマでは、予測してなかった事ばかりで大変でした。
でも、皆さん、落ち着いて歓迎して下さって。」
「話は聞いたよ、確かにテレビの報道を見てると、人が集まってはいるが整然としていたね。
パリを目指して多くの人が押し寄せているが、姫さまの影響下に入るとそれで満足する人も多いとテレビでやってたよ。
会えなくても神の力を体感した後は、飛ぶように売れてる写真やポスター、DVDを見ながら人生を振り返ったり、信仰と向かい合っているそうだ。
宗教的な教えの様な事は、イベント初めのスピーチぐらい、多くの人に感銘を与えた様だが、落ち着いて考えると我々にとっては当たり前の、地球市民党の理念だよな。」
「ですよね、この機会に多くの人が地球市民党に賛同して下されば良いのですが。」
「舞姫さまが教祖的な存在に成りつつあるのだから可能性は有る。
分からないのは、姫さまの祝福を感じても、姫さまと敵対する道を選ぶ人がどれぐらい居るのかだ。」
「分からないですね、ここまで旅して来た国々からも、特にそういう人の話は入って来ていません。」
「しばらくは、舞姫さまが世界に影響を与えて行くのを、手探りでサポートし、姫さまを守って行くことになるのだな。
ところで、人類が初めて体験した、神の如き存在は、今、何処に?」
「キャッシーがSNSにアップする写真をどれにするか、二人で楽しそうに選んでましたよ。」
「そういうところは普通の女の子なのだな…。」
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