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パリ-14 [シトワイヤン-26]

その夜、舞姫さまにパネルディスカッションの話を。

「宗教改革ですか、歴史上の宗教改革では争いも起きていましたね。」
「はい、中途半端に進めると世界中で揉め事が発生するかも知れないと参加者からも出ていました。
ですが、姫さまのお力を借りられたらと、皆さんから。」
「清香さん、様々な理由から、相手を絶対受け入れないという人達が世界秩序を乱していると思います。
そんな人達にも私の気持ちは届くのでしょうか?」
「姫さまの力が強まってから今日まで、多くの奇跡が起きています。
姫さまの祝福を体験していない人は、それを信じないかも知れませんが、そんな指導者達と直接会う必要は有りません、同じエリアに滞在するだけで良いのです。
理解の有る方には苗川に来て頂き、そうでない方の所へは姫さまの気分で旅行に行けば済むと思います。
こちらはあくまでも宗教団体ではなく地球市民党の一員として、今回のイベントでは政治経済中心に議論が交わされ、宗教に関する事は極一部でしか有りません。
旅行の名目は地球市民党のシンボルとして各国の代表に招かれるという形を取れば良いと思います。
宗教改革は早急に進めるのではなく、ゆっくりじっくりとなるでしょう。
歴史有るものを簡単に変える事は出来ません、でも、少しずつでも、特に宗教対立、民族対立をしているエリアから進めて行きたいです。
ただ、人間の力で解決することは絶対無理だと思える対立があちらこちらに有ります。
どれだけ科学が発達しても人間は今の世界を良い方向に向かわせることが出来ないでいます。
大規模な戦争こそ起きていませんが、地球の将来には不安が付きまとっているのです。」
「私が人間では無いと言う前提なのですか?」
「はい、そこにいて下さるさるだけで、多くの者を癒し安らぎを与えて下さる存在は地球上には舞姫さましか。」
「私が何者なのか、今後この能力がどうなって行くのか分かりませんが、能力が有る間は皆さんのお役に立てたらと思っています。
今後のスケジュールを見直しましょう。」
「有難う御座います、冬には南国のリゾート地巡りとかがお勧めです。
平和な環境ですが、宗教的には今回よりイスラム系の住民が多いです。」
「清香さん、寒いの苦手ですものね、そういった環境で試してから、中東を目指しましょうか。」
「万里、私は何時でも何処へでも一緒だからね、本間さんと相談して市の仕事はスタッフに引き継いで貰う事にしたから。」
「うん、お姉ちゃんがいないと困る。」
「姫さまの下に改宗したいという声も聞こえて来ていますがどうしますか?」
「地球市民党の党員になって頂けばよろしいのではありませんか。
冠婚葬祭に関しては党独自の形を作って貰うとか。
改宗でなく両方に所属して貰ってもこちらには何の問題も無いのですから、葬式仏教形式を広げても構いませんし。」
「そうですね。」
「和馬さん、世界中の人が地球市民党の党員になれば、全てが丸く納まるのですよ。」
「智里は壮大な事を簡単に言うね。
だが、人間というのは一つの党を作っても、派閥を作り、そのパワーバランスで利害関係を発生させる生き物なんだ。」
「それでも、大枠が同じ組織で有れば、バラバラよりはマシになるでしょ。」
「まあな、そこまで行くのは大変だろうが。
舞姫さまが地上に存在する唯一無二の神さまだと世界中の人が認知すれば、人間社会は変わるのかな。」
「一人で数十億の人を動かすのは大変そうね。」
「姫さま、他人事みたいに言わないで下さいよ。」
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