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進路-03 [シトワイヤン-23]

高校卒業以来久しぶりに梨花と。

「智里はそのまま市の仕事を手伝ってるの?」
「うん、肩書とかは変わったけどね。」
「う~ん、始めはなんだったっけ?」
「始めは市政市民会議の高校生代表よ、本間市長が選んで下さってね。
本間さんとは小学生の頃から、男の子に負けない勢いで『格好の良い子どもになろう』を推し進めていた事を切っ掛けに色々教えて下さってね。」
「ふふ、智里は男の子に負けてなかったな~、色々と、市長さんは小学生に対してどんなだったの?」
「頻繁にお会いした訳でも、長い時間話した訳でもないのだけど、話の内容が濃くてね、子どもながらに凄いと感じたわ。
それと、私達を子ども扱いしなかったの、万里なんてまだ二年生だったのよ。
でも、万里の力に気付いて下さって、真っ直ぐに受け答えして下さったわ。
その、一番尊敬出来る大人とは中学時代も交流が続いてね。
私が高校に進学するタイミングで市政市民会議が発足、すぐに苗川高校生部会発足というのは、中学生の頃に決まってた事なの。」
「市長の懐刀となっていったのね、給料は貰ってたの?」
「ええ、梨花、私の報酬は市の条例で定められてるって知ってた?」
「えっ、あっ、市の職員では無いから?」
「職員の給料も条例で定められているのだけどね、私の場合、スタートの時こそ、他の市政市民会議メンバーと一括りで決められていたのだけど、市長筆頭補佐の肩書を頂いてからは別扱いでね。」
「筆頭補佐だから報酬もかなりな額になったの?」
「高校生が授業後に活動してると考えたら少し多めだったかな。
でも補佐になって、本当に補佐してたから私の報酬に関する条例案は問題なく認められたのよ。
そして、高校卒業後、仕事の幅が広がり内容も濃くなったから報酬を上げて貰えてね、今日は私のおごりだから、梨花、太って良いわよ。」
「そうか、よし、明日からダイエットしよう。
でもさ、智里は学歴的には高卒になるのでしょ、金額的にはどうなの?」
「高卒でも、市の職員に指示を出したりしてるのよ、そういった事に見合う金額でないと、そうね報酬によって人を判断する人もいる。
私が大卒の初任給以上に頂いてる背景には色々な意味が有るのよ。」
「市の職員という選択肢はなかったの?」
「本間さんは私を市の職員として拘束したくないとおっしゃっていてね、正規の職員となると制約が多くて、私が自分の力を発揮出来なるそうなの。」
「ずっと、その立場で働いて行くことに?」
「先の事は分からないわ、今は本間さんの下で市政全般を学ばさせて頂きながら、市の職員とは別の角度から作業に当たったりしてるのだけど、本間さんからは他の自治体で働くことも視野に入れる様に言われていてね。」
「そっか、大学卒業後は苗川市の職員というのも考えていたけど、智里の話は参考になりそうに無いって分かったわ、レベルが違い過ぎて。」
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