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起業-01 [シトワイヤン-20]

「こんにちは、清香さん。」
「あら、智里さん、こんにちは、う~ん、また背が伸びてませんか?」
「はは、成長期ですから。」
「モデルのお仕事とかも考えて良いのでは有りません?」
「そういう類は、万里にお任せです。」
「本間さん関係のお仕事は余裕でこなしているのでしょ?」
「まあ、要所要所を引き締める様なポジションですので。」
「万里ちゃんと起業する話は進んでいますか?」
「はい、苗川高校生部会のメンバーが乗り気になってくれまして、今は分担して作業を進めています。
商品は三つに絞られまして、今度試食して頂きます。
初めは手作業のみになりますが、機械化も視野に入れています。」
「工場はどうするのです?」
「高校生の実習ということで、今は県立高校の空き教室をお借りしています。
県との契約は会社の業績を見ながら見直すことになっていますが、苗川市が保証する形にして頂きました。」
「そうですか、でも綺麗な工場は色々な意味で必要ですよ。」
「衛生面だけではないのですよね、従業員の士気に影響するとか。」
「予算面は如何です?」
「株式会社を立ち上げるという事も実習の一部です、万里の出資でスタートですが、今の所、給料は発生していなくて、主に試作品の材料費など、大した出費では有りません。
実習の範囲を超え始める段階から給料を支払い、労働組合を立ち上げる事になっています。
組合活動を通して、労働者と企業、社会との関係を学んで貰い、一市民として苗川を支えて貰いたいと考えています。」
「労組まで考える所が市民政党若葉、苗川支部の幹部らしいですね。」
「名前だけの幹部です。」
「本間さんは頼りにしておられますよ、新会社の社長に就任ですか?」
「いえ、取締役にはなりますが、清香さん、万里は会長に据えて会社のシンボル的な存在にしようと思うのですが如何でしょう。」
「そうですね、万里さんの会社とイメージして貰うのは良いと思います。
何が起きても私の人脈で何とかしますので、高校生起業家達は冒険心を忘れないで下さい。」
「はい、有難う御座います、でも、無謀な事はしない様、学習はしっかりして行きます。
起業に関係する学習を通して、私たちは何をどう学んで行くべきか考えています。
何時かは、清香さんの会社に負けないような勢いの有る会社にするんだとスタッフ連中は、張り切っていますよ。」
「それは頼もしいですね、まずは試食を大々的に行いますか?」
「はい、清香村の皆さんにも、舞姫がお願いに上がると思います。」
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