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鹿丘小学校-04 [シトワイヤン-16]

翌日の学級会、翔太君には転校生のまとめ役に、他の転校生もそれぞれ体験的に担当を持って貰うことが決まった。
六年生は全員が何かしらの担当を持つのが私達の方針、でも担当したのが思っていたのと違ったら交代しても構わない。
これは転校生を迎える事が分かった時にみんなで話し合って決めた。
転校生が負担に感じない事が大切、問題が有っても格好の良いクラスメイトが助けるので大丈夫。
学級会後の休み時間は翔太君と。

「ねえ、翔太君は宿題やらないのって恰好悪いと思う?」
「まあ、良くは無いだろう。」
「でも宿題やらなくてもテストで百点だったら?」
「そう来たか、そうなると宿題の内容にもよるのかな、先生の立場もあるだろうし。」
「先生の立場だけで、私はしなくても良い様な宿題をしなきゃいけないの?」
「えっと…、個人差が有る…、宿題は全員一緒ってことで先生としては平等にしてるのだろ。」
「私なら五分で終わる宿題に三十分掛かってる子もいるわよ、それって平等?」
「う~ん…。」
「そもそも宿題って何の為に有るの?」
「あまり考えて無かったな。」
「翔太君は宿題を真面目にやる人?」
「ああ、大した量じゃなかったし、授業中の暇つぶしにやることも。
万里さんはやらない派なの?」
「まさか、そんな恰好の悪い子ではないわよ。」
「えっ、今までの話は?」
「ふふ、翔太君の前の学校では、先生達と宿題の相談をすること有った?」
「もちろん無かったよ、それ以前に先生は忙しそうにしてたからあまり話すことは無かったな。」
「鹿丘小学校はね、学校改革の一環で色々試しているの。」
「先生と一緒に?」
「ええ、本間市長が話に加わって下さる事も有るのよ。」
「へ~。」
「本間市長は、コミュニケーション能力や教える力が大切だと考えて見えてね。
「コミュニケーション能力って?」
「翔太君が得意な、人と対話する力かな、初日から積極的に話しかけていたでしょ。」
「まあね。」
「私達が五年生から取り組んできたのは、きちんとコミュニケーションを取りながら教え合うという授業なの。」
「子ども同士で?」
「ええ、個人個人の学習効率を考えながら、宿題は相談して個別に決めることも有るのよ。
必要な宿題を多過ぎない様にね
転校生が一番戸惑うことかも知れないからよろしくね。」
「うん、全然分かってないけど、少なくとも前の学校より退屈し無さそうだ。
まずは詳しく教えて貰う必要が有りそうだね。」
「私達としても、そうね日本の首都東京がどんな感じなのか教えて欲しいわ、どんな町なのか。」
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