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市民-09 [シトワイヤン-12]

「鈴木さん、今の所問題は無いのですか?」
「そうですね、気になっているのはこれから増えるゴミです、徹底したリサイクルが実現出来れば良いのですが、清掃工場が老朽化していまして。」
「徹底したリサイクルに市民の協力が得られるかどうかなのですね。」
「はい、市の事業ですが移住者の意識が分かりません。
地域によってルールが大きく異なりますので、転居して来て面倒になったというのは避けたいじゃないですか。」
「大きく異なるのには何か理由が有るのですか?」
「ええ、プラスチックや白色トレイなどを燃えるごみとして扱っている所は、焼却設備が最新式なのです。
高温処理が出来ますから、有害なガスが発生しません、焼却時の熱をエネルギーとして発電に利用しますのでプラスチックは燃料として燃やしたいのかも知れません。
焼却設備の処理能力が低いところでは有害なガスの元になってしまうということです。
他もリサイクルの仕方などで大きな差が出ます。」
「そういう事でしたか、ゴミの減量とリサイクル、自分も調べてみます。」
「それでしたら、まずは生ゴミを焼却処分しないで堆肥にする、生ゴミ処理機を調べて下さい、ログハウス村でも使えると思いますよ。」
「有難う御座います、あそこでゴミをどうしてるのかも、一度聞いてみます。」

鈴木さんとの話中、隣のテーブルの奥さんが話したそうにしていたので声を掛ける。
「お姉さん、ゴミの分別は大変ですか?」
「そういう物だと思っていれば大した手間では無いわ、そちらのお兄さんが話してた生ゴミ処理機は苗川支部で、どの機種が良いのか比べているのよ。
燃やすゴミを減らし自然に還す取り組み、移住して来る人にも使って欲し良いわ。」
「畑を持たない人だと、堆肥を持て余したりしませんか?」
「花壇や公園で使えば良いし、党の婦人部会がお手伝いする事も可能よ。」
「それは是非お願いしたいですね、移住者との接点は沢山有った方が良いと考えています、そこでトラブっても党支部が間に入って問題解決してくれると信じています。」
「ええ、都会では隣に住んでる人の事をほとんど知らないのが普通なんでしょ、流石にそれは嫌だわ。」
「苗川の住人同士の絆と、隣人の事さえ知らない生活をして来た人達との中間的な結びつきを考えてみて下さいませんか。」
「あらそうよね、越して来ていきなり親密には慣れないわよね。」
「姉さん、不倫はお勧めしませんよ。」
「もう和馬ったら、分かってるわよ、でも妄想ぐらいは良いでしょ、旦那に大きな不満が有る訳じゃないの。
でもさ、ドラマの不倫物とかって都会の話が多いでしょ、田舎を舞台にしたラブロマンスとかもっと作ってくれないのかしら。」
「う~ん、ドラマ見ないから…、そうですね、苗川を舞台とした作品を知り合いに提案して行きます。
でも、ホテルに余裕がないと難しいかも知れません。」
「そっか、まあ、和馬が局の人を説得して苗川でロケ、というのを妄想して楽しむわ。」
「はは、妄想で満足ですか?」
「主演男優は自分で決められるでしょっ、って、もう決まっているのだけど。」
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