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地方支部-04 [シトワイヤン-10]

ジャケット一枚を売って手に入れた土地の広さは、過疎の問題と共に支部の盛り上がりを感じさせてくれる。
このサプライズは本間さんの指示で進められていたそうで、俺が買わなくても党支部で活かせると判断していたそうだ。
整地に十万円以上のお金が掛かってる事は明白だったがそこには触れずに。

「過疎の問題はこれだけの土地が有っても、それが活かされないということなのですね。」
「それでも、瀬田さんが使われていない土地を遊びながら活用したいと提案して下さったからこそ、この広場が出現したのです、切っ掛けが無いと人は動かないのですよ。
そして、荒れた土地を整地してみて、ここに新たな可能性を考えてるのは自分だけではないのです。」
「そんな土地を私に譲ってしまって良かったのですか?」
「ここみたいな土地はまだまだ有ります、瀬田さんがこの地でどう遊ぶかによってその使い道が変わるのですよ。」
「その辺りが、企業を再生して来られた本間さんの発想なのですね。」
「まあ、ここをどう使うのか少し具体的に教えて下さい。」
「色々な案が有るのですが、まずは、村の設計図を募集するところから始めます、それから村が少しずつ完成して行く様子を皆さんに見て頂きます。
祠を建て小さな女神像を祀り賽銭箱を置いて、どれぐらい寄付が集まるのかという企画や、森林の維持作業を芸人に体験して貰ってから、一般の方にも体験して頂いたり、最新の林業機械も紹介したいです、結構格好良いんですよ。
基本、番組の企画として進めて行くつもりですので安く出来ます、お世話になってる局に企画を持ち込めば何本か通るのです。
テレビに映れば人が来る様になりますので、市内の飲食店も紹介したいですね。」
「成程、企画を持ち込み場所を提供、自分達に出来る事では有りません。」
「月曜日は梅子姉さんが土日に何をしていたのか聞いてくれますので、さり気に宣伝出来ます、ここから中継というのも有りですね。」
「経済効果が期待出来ますね、核になる施設が出来れば、市としても活性化に向けた事業展開を進め易くなります。」
「本間さんは市の青写真をどの様に描いておられるのですか。」
「そうですね…。」

リコール運動の中心人物で有り、次期市長候補で有る本間さんとの対談は地元のテレビ局が撮影していた、事前に情報を流したのは俺達直属のスタッフ。
瀬田和馬十万円で土地を買う、と題してキー局でも流された。
俺の土地は、すでに注目を集め始めているのだ。
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