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挑戦-04 [シトワイヤン-07]

自分達が番組レギュラーになるタイミングで、市民政党若葉のサイトには番組関係のコーナーを作って貰った。
ここでは、番組で自分たちが取り上げた話題をさらに掘り下げたり、アンケートを実施したりする他、清香や愛華の写真付きリポートも掲載して行く。
社会問題を分析し改善策を検討して行くチームの研究結果も、ここで発表して行く予定、表向きは番組二週目に発表させて貰ったが準備は進めていたのだ。

「党発起人会として番組関係のコーナーを持たせて貰うことに反発はなかったみたいね。」
「党の皆さんが作り上げた方針に沿って活動すると分かって頂けてるのだろう。
サイトの設立、運営は発起人会がして来たことでも有るからな。」
「でも、そろそろ被選挙権の有る党代表を決定して頂きたいです。
始めは理想を考えるバーチャル政党でしたが、今は現実も見据えリアルにも影響を与える存在に向かっています。」
「そうよね…、バーチャルからリアルへ、空想から現実へというのを党代表選挙のキャッチとして提案しようかな。
でも、党の代表選挙までには時間が掛かりそう、名前だけの(仮)代表から、党の意思決定権を持つ暫定代表に交代することで、どんな問題が発生するのか見極めるのが一つの目的なんだから、もう少し簡単でも良さそうなのにね。」
「折角、気持ち良く形成された党が…、悪意はなくても変な形になってしまっては面白くないと、皆さん考えておられるのでしょう、愛華、焦る必要は有りません。」
「ただ、党が和馬中心のものではないと世の中の人に知って欲しくは有るよな、一気に注目を集めている今、もう少し党の幹部を目立たせる術を、別で考えるべきかも。」
「そうね、市民政党若葉をしっかり取材して番組にしたいという依頼が来てるけど、敢えて和馬や私達の出番を少な目にとお願いしましょうか。」
「はは、愛華や清香目当てで見る人を裏切るのか?」
「全く出ない訳じゃないから大丈夫、メインは私達が会ったこともない、党を形作って下さった方々にすべきでしょ。」
「その中には党の代表候補も含まれるのかな?」
「根回しは進めて貰っているけど…、康太、給料の話はどう?」
「明日、現時点で党執行部に出せる給与総額を発表する、そこからどうするかは…、代表がいないと決めづらいかもしれないが、逆に皆さんの考えを掘り起こせるだろう。
どうしても決まらないのなら(仮)代表が決めてしまって良いんじゃないか。」
「そうよね、所詮暫定代表の給料な訳だし、その資金は発起人会が頑張って集めたもの、誰も文句は言えないわ。」
「問題は、リアル政党の党首と違い議員報酬がないことです、今後も収入源が問題になりそうです。」
「だよな、愛華、本はどうなってる?」
「一冊目は、市民政党誕生の話を簡単にまとめて出版社の編集と調整中、番組が注目を集めているから写真を多目にして早目に出したいみたい。」
「タイミングは重要だろうね。」
「ええ、一冊目を簡単にする代わりに、二冊目に取り掛かる話も来てるわ、時間を取られたくないから一冊目以上にライターの比重を増やしての作業をと考えてるのだけど。」
「じゃあ、俺達はインタビューに応える程度で良いのか?」
「多分大丈夫、和馬が番組で話した内容も含めて整理して貰うことになると思う、康太も原稿にはじっくり目を通してね。」
「ああ、言ってもいないことを書かれては問題になるからな、あっ、ライターの比重が増えるとこちらの取り分が減るのか?」
「今は、そんな細かいことを気にする時では無いと思う、兎に角目立って行けば、株式会社和馬の収益は自然と増えるわよ。」
「それは分かるが、どんぶり勘定では駄目だろ。
和馬が考えてる方向に進んだら、サイト関連で社員を増員する必要が出て来る、党の明日を考えたら資金は幾ら有っても足りないが、まずは必要額を見極め、確保して行きたいからね。」

康太は社長になってから視野が広がったと感じる。
役職が人を育てるということだろうか、そういう自分も番組のメインコメンテーターとして修業中なのだが。
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