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挑戦-03 [シトワイヤン-07]

生意気な大学生という自分の立ち位置に対して視聴者の賛否は分かれているが、勿論それは当初より狙っていたこと、当たり障りのない発言ばかりでは面白い番組にはならない。
自分の場合、所謂芸能事務所に相当するのは株式会社和馬、自分が余程叩かれても然程問題にならないと考えている。
番組の大幅なリニューアルは今の所成功、視聴率を上げているのは愛華たちが注目を集めている事にもよる。

「うちのママは改めて和馬の才能に驚いているわ。」
「えっ?」
「時事問題ではいきなりアンチを作る様な発言をしながら、梅子姉さんとはボケたり突っ込んだり、私達が絡むと、ほんわかムードになる、変化が有って楽しいんだって、やはり計算してるの?」
「計算と言えば計算なのかな、梅子姉さんとのトークはアドリブ合戦で楽しいし、愛華たちの顔を見てると自然と和むからな。
ねえ、現場スタッフは椅子ネタを続けそうだけど、そっちはどう?」
「あれは微妙よね、私の椅子を和馬の椅子とくっ付けて仲良しアピールかと思いきや、次のコーナーでは和馬から離されてイケメン俳優の隣とか、私を軽い女に見せたいのかしら。」
「はは、コーナーごとにメインで映る人は変わる、愛華を一秒でも長く画面に入れておきたいと考えてのことだろう、間近で見た俳優はどうだった?」
「どこにでもいる普通の人、紹介の時、和馬がドラマに興味が無くて知らないと答えたのには、流石に引いてたわね。」
「嘘がばれると面倒だからな。
嘘つくくらいなら黙っていようと思ってたのだけど梅子姉さんが面白がって…、そんなに有名な人だったのか?」
「ええ、翌日、私が大学で囲まれ、会った感想とか聞かれまくるぐらいにね。」
「君を取り囲んだ人達は、党のグッズを買ってくれそうか?」
「たぶんね、普通なら市民政党若葉かWAKABAとロゴを入れる所に、Citoyenとお洒落なロゴを使用、シャツ、トレーナー、ジャケットのサンプルを、学生やスポンサー企業の皆さんに見て頂いたら、すぐに注文が入り始めて製造計画を前倒しが決定したそうよ。
ネット販売が中心になるけど、Citoyenブランド専門店をオープンさせる計画も出て来てるわ。
一人で着ているだけでは市民政党の宣伝にならないのが欠点だけど、上質の素材を使いお洒落に着こなせる様デザインに気を配っているのが特徴で、学生スタッフの評判も上々なの、市民政党のグッズとして購入を考える人とCitoyenブランドの服として見てくれる人、両方に興味を持って頂ける、販売数が伸びない場合の展開も考えて有るから安心してね。」
「その時は俺も番組で宣伝させて貰うが、まあ、バックに愛華ママと柚木社長がいるから心配してないよ。」
「そうね、取り敢えず各種タオルセットは、党員が気軽に購入出来る物から贈答用まで販売体制が整ったそうで、来週から正式販売になるわ。」
「党の先々を考えた時、大きな資金源になりそうかな?」
「ふふ、なりそうとかではなく、大人達は資金源にすると言い切ってるわよ。」

番組出演は俺達にとって大きな挑戦、だが、市民政党若葉の党員たちも大きな挑戦を考えている。
それには、資金が必要なのだ。
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