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挑戦-01 [シトワイヤン-07]

殺人事件に対する自分のコメントには多くの批判を頂いた。
実際の事件に対してまともに向き合っていなかったのだから当然だろう。
まあ、想定内の事だったので気にはしていないが、翌日の番組…。

「和馬、昨日の殺人事件からのコメントには様々な意見を頂いたわね。」
「はい、嬉しいです。」
「批判的なのも少なくなかったみたいよ。」
「無視されるより良いです。」
「昨日話してた、分析チームはどう?」
「多くの意見を頂いた事でやる気になっています。
 梅子姉さん、昨日の話しに少し付け加えさせて頂いても宜しいですか?」
「そうね、昨日見て無かった人もいるでしょうから。」
「では…、色々な犯罪が有り犯人が存在する訳ですが、そうですね、何時、殺人事件を起こす様な人物になったのか、という視点は如何です?」
「ふふ、いきなり殺人を犯す様な人になったとは考えにくいわね、そこに至る過程か…。」
「単純では有りませんが、子どもの頃からキレ易かった人が、幸せな社会集団の一員と成れなかったとか、反社会的組織にしか居場所がなかったという例が考えられます。」
「類は友を呼ぶということね。」
「ここには、貧困問題や学校の問題、男女間のトラブル、職場の問題などが絡んで来きます、いじめの問題、進学時の挫折、就職したらブラック企業だったとか、まずは犯罪者を生み出した環境やその過程をイメージして欲しいのです。」
「う~ん、色々有り過ぎて困るけど、和馬の言いたいことは分かるわ。」
「はい、数多くの問題が存在すると思うのですが、その一つ一つを正していかないと、社会は良くなって行かないのではないでしょうか。」
「そうよね、問題は山積みです、と話しているだけでは何も変わらない…、でも私達に出来る事は有るの?」
「小さい事から一つ一つ見直し、法改正が必要だと感じたら法案をまとめ与党に訴えます、一般市民の意識改革をすべきだと考えたら、皆さんと議論を深めたいです。
今は、競争社会が行き過ぎた状態に有り、勝ち組負け組、貧富の差となっていますが、拝金主義者の方には少し人に優しくなって頂いて、低所得労働者の賃金が上がれば、内需の拡大に繋がります。」
「それも意識改革なのね。」
「はい、拝金主義者の意識改革はとても難しいと思いますが。」
「それでも和馬は取り組んで行くのでしょ。」
「ええ、自分が、というより市民政党若葉が打ち出した方向性です。」
「番組をご覧の方に理解して頂けるかどうか分かりませんが、私が番組に招いた和馬というのはこんな男なんです。
それで、番組としては、今後、あちこちの番組で報道されてる事件事故に関しては簡単にお知らせするだけにし、和馬と共に社会問題を分析するだけでなく、実際に良い方向へ向かわせる事が出来るのかどうかを検証して行きたいと考えています。
勿論、一つのコーナーですので、他のコーナーはそのまま、実験的な取り組みになりますが宜しくお願いします。」

これは本当に実験的な取り組みとなると思う、なにせ社会には問題が山積みなのだから。
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