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村長-09 [シトワイヤン-03]

大学一年生の勇者見習いだった俺が、村長になり国王に、ゲーム内で劇的な人生を歩んでいた夏休みだが、現実の俺は…。
夏休みに入って間もなくのこと。

「ねえ和馬、今後のスケジュールを組んでみたの、どう?」
「はは、愛華たちと会える日が多くて嬉しいよ、あっ、康太は少な目だね。」
「彼にはバイトが有るし、山下さんとのデートも有るでしょ。
和馬の予定はお父さまにも確認して家族の行事は外してあるけど、このままで大丈夫?」
「ああ、問題ないが、親父と連絡取り合ってるのか?」
「ええ、和馬のあ~んなことやこ~んなことも教えて頂いたわ。」
「そうか、少し嬉しいかな。」
「えっ、普通さ、人に知られたくないこととか、ばらされたら嫌じゃないの?」
「親父は、そんなことを話す人じゃない、愛華は俺を褒める事ばかり聞かされたのだろ、俺が自慢話をしないで済む様にしてくれてるんだよ。」
「あっ…、御免なさい、私はお父さまに教えて頂いたことで和馬をからかおうと思ってた…、私って…、嫌な女ね。」
「そんなことないさ、愛華が俺に興味を持ってくれてるだけで嬉しいよ、親父が話さない様な失敗談も有る、そんな話をした時は笑ってくれな。」
「うん。」

スケジュール上、学習は四人で遊びは主に三人で組まれていたのは、康太の彼女は愛華たちと馴染めてないからだ。
その結果、大学に入学して初めての夏休みは、美女二人と共に美術館や遊園地、プールへと、最高のものとなり、俺達はただの友達ではなくなりつつ有った。
ゲーム内で三角関係が成立したのは、自然な流れだったのだ。

「私達の三角関係ってある意味LGBTの様な少数派なのよね。」
「独占欲が無いのか、不思議そうに聞かれたことが有ります。」
「俺的には嬉し過ぎる状態だけど君たちは良いのか?」
「ふふ、和馬を独占してもね~。」
「三人で楽しいです、でも私達以外の女性とのお付き合いは認めません。」
「はは、それは有り得ないよ。」
「先のことは分からないけど、このままの状態が続いて結婚とか出産となったら面白そうよね。」
「戸籍上は結婚したり離婚したりで何とかなりますが、私と愛華の関係は友達でしかないです。」
「同性婚して和馬をおまけにしても、法的にすっきりしないのよね。」
「昔の人がイレギュラーだと思う婚姻関係は、今の教育制度下だと、子どもが特殊な家庭の子としていじめられそうだよな、重婚というのもトラブルの元だろうし。」
「でも、大金持ちの中には戸籍上の奥さん以外に何人もの女性と…、責任を持てるだけのお金が有れば大丈夫なのではないかしら。」
「大金持ちが多くの女性にお金を使えば経済の活性化に繋がるという視点はどうです?」
「父親からの愛を受けられない子どもはどうなの?」
「そもそも、ヒト族の繁殖や婚姻に対する本能的価値基準そのものが多様化していると思いませんか、単純に子孫を残すという本能の上に色々上書きされたことにより。」
「昔から浮気や離婚が有って、愛人とかが存在したのでしょ、あまり変わってない気もするわ。
独占欲の強い人がいたり、愛人で構わないと思う人がいたり、男性に縛られたくないと思う人がいたりする訳でしょ。
ねえ、和馬は、もっと大勢の女性と付き合いたいと思う?」
「それは全くない、君達との出会った時、二人の美女が自分の中で最上級の存在になってから変わらないよ。」
「なんか狡いのよね、ずっと私達をセットで好きみたいに話してさ。」
「え~、惚れたままかどうか、確認してきたのは君達だろ。」
「それに対して、真面目に応えて来たのが和馬なのは間違いないです、もう、会う度に告白して下さって。」
「会う度に、私達の事どう思ってるの、とか聞かれたら正直に話すしかないだろ。」

こんなやり取りの後、ゲーム内で村長から国王になった俺は二人の妻を娶ることとなる。
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