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村長-03 [シトワイヤン-03]

ゲームが少し進行した段階で、運営サイドは対人関係を表す項目を設けた。
他人、知人、友人などが有ったのだが。

「和馬はお嬢さま方を大親友にしたのか、でもこれってさ、和馬が清香と愛華を彼女にすることも可能だよな?」
「そ、そんな二股なことしたら二人から他人扱いにされ、とても残念な男になるだろ。」
「ゲームなんだから、和馬を大親友から彼氏に格上げしようかしら、奴隷という選択肢はないし。」
「はは、運営に僕と奴隷やご主人様を提案しておくよ。」
「あっ、清香は和馬のこと、すでに彼氏にしてるじゃないか、ま、待て、なんで俺が他人なんだ?」
「ゲーム上のことですから、和馬の好感度は知らない内に高くなりましたし、私に惚れてる人はゲーム内に一人だけです。」
「さ、清香さん、じ、自分も清香さんを彼女としてよろしいでしょうか?」
「当たり前です、そうしないと私が片思いしてるみたいになってしまいます。」
「ゲームだから和馬に彼女が二人いても構わないよね?」
「おっ、三角関係コースか、どろどろしそうで楽しみだな。」
「う~ん、こういう人間関係は想定していなかった、俺は勿論嬉しいが二人は良いのか?」
「所詮ゲーム内のことです、問題は有りません。」
結局三角関係が成立してしまった、彼女たち同士は大親友を選択している。
「いずれ和馬は大きな選択を迫られるということになったな。」
「そうかな、その前に二人が素敵な彼氏を見つけて俺の前から立ち去るというシナリオも有るだろ。」
「他の参加者は他人です、ゲーム内の私には和馬しかいません。」
「俺でさえ他人だもんな、せめて知り合いぐらいに格上げしてくれよ、こっちは親友だと設定してるのだから。」
「こういう行き違いはリアルでも起こりそうです、康太、山下さんとは大丈夫ですか?」
「それがね…、君達には勝てないが彼女になら勝てるかもと思ったのか、女子からのお誘いが増えて微妙なんだ。」
「さすがイケメン男子ね、で、どうするの?」
「最終的にはベストな一人を決めないとダメだろう。」
「康太は一夫多妻が認められてたらどうします?」
「それは無理だね、君らは俺のことを恋愛対象とみなかったから気軽に話せてるが、女の子と付き合うのは、それなりの労力を要するのだよ。」
「和馬は?」
「はは、俺はそれ以前だから考えたこともない。」
「これからはゲーム内で考える事になるぞ、三角関係になって覚悟は出来てるのか?」
「うっ…、政治上のいかなる問題より判断が難しいかも知れない。」
「はは、政治家たちは沢山の判断を下してきた、時には誤り多くの人を苦しめることもあっただろうが、和馬には市民政党若葉の代表としてベターな判断をして欲しいものだね。」
「そうね…、康太が振ってきた女子たちは涙していたのかしら。」
「そう言われても全員と付き合える訳ないだろ、まあ、極力穏便に済ませて来たし、人を外見だけで判断する様な子は願い下げでね、そう言う君たちは近づいて来る男たち、どうしてるんだ?」
「最近は好きな人がいるからって断ってるわ、話が早いのよ。」
「良い男から言い寄られたりしないのか?」
「ないない、底の浅そうな人ばかりなの。」
「ふふ、これからは彼氏がいますとはっきり言えます、ゲーム内の彼氏だと隠しておけば、和馬は便利な存在です。」

おモテになる方々の話を聞きながら俺はドキドキしていた。
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