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市民政党-10 [シトワイヤン-02]

俺達は今、大人達の助言を受けながら党の形を考えている…。

「国会で審議される法案に対しては、党としての考えを表明したいね。」
「党内で意見が割れたとしても、それが出来なければ政党とは言えません、それを遂行して行く部署が党組織の要になると思います。」
「教育問題を始めとする社会問題を継続的に検討して行く部署と連携を取りつつも一つ上の存在だな。」
「問題は党首とか代表よね、意見表明をするにしても最終判断を下す人は必要、先送りしてると話が進まないと思うのよ。」
「でも、今の状態でお願い出来る人はいないだろ、大学生のお遊びレベルなんだから。」
「和馬くんが良いと思いま~す。」
愛華が楽しそうに俺を追い込み始めた…。
「賛成~。」
康太の乗りは何時も軽い。
「いやいや、それは、もっと考えて欲しいんだ、真面目な話、党としての足場固めをし幾つかの条件をクリア出来たら、リアル政党までは行かないとしてもバーチャル政党として参加者を増やすことは全く無理ではないと考えているんだ、そうした時に経験のない俺では完全に役不足になる、別の言い方をするなら、それだけの可能性が有ると思ってる。」
「私もよ、(仮)でも良いじゃない、私達の役割は声を上げること、和馬に負担が掛かるだけの政党なら失敗だと、はっきり表明しておけば良いわ。」
楽しそうに話す愛華は本当に素敵だ。
「しかしだな…。」
だが、それとこれは別問題。
「和馬、大変になるとしても、それはまだ先の話です。」
追い打ちを掛けるのは、清香の静かな微笑みを伴う一言、俺にはそれに抗えるだけの力は備わっていないし、彼女達の俺に対する評価が下がるのを避けたいという本能も働く。
「俺が仮の代表になれば良いのか?」
「ふふ。」

これは俺達四人だけの話なら自然な流れだった、俺は大学入試に対して余裕が有り、少しばかり広い視野で物事を見る機会を親から与えられていた、だが、大人達と比べたら絶対的に経験が浅いという事も理解している。
複雑な思いは有ったが俺達に付き合ってくれてる大人達にも、バーチャル市民政党若葉初代代表(仮)と表明させて頂いた。
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