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市民政党-06 [シトワイヤン-02]

ささやかにブログを公開して数日後、我が家でバーベキューパーティーが開かれた。

「お父さま、このお肉美味しいです~。」
「はは、今日は松阪牛だからね、こっちもそろそろ食べ頃だよ。」
ま、待て、愛華よ、何故俺の親父を、お父さまと呼ぶのだ…。
「和馬、お肉取りましょうか?」
「あ、有難う、俺はどちらかというと主催者側だから、気を遣わなくても良いよ。」
「ふふ、焼き加減はミディアムでよろしくて?」
「ああ。」
清香の笑顔は最高に眩しい…。
「和馬、楽しい学生生活を送っている様だな。」
ささやかな幸せをじっくり噛みしめる間もなくの邪魔者登場は想定内。
「はい、加藤さん、良き友人にも恵まれ充実しています。」
「で、こちらの御嬢さんは、もしかして柚木さんではないのかな?」
「はい、柚木清香です。」
「やはりそうか、前に何かのパーティーでお見かけしたことが有ってね、当時は可愛かったけど、すっかり美人になったね。」
「ふふ。」
「彼女と一緒に講義を受けたりしてるのか?」
「それはないですが、学習会を開いています。」
「真面目な?」
「ええ、政治経済中心に、市民政党を作れないか画策しています。」
「政党?」
それから、自分達の考えを紹介させて頂いた。
「成程、真面目に考えているのだね。
だが、魅力有る政党というのは随分アバウトだな。」
「自分達も学習している段階ですので、ただ、現在の与党と野党の中間に利権や感情論に流されない政党が有って良いと思うのです。」

それから加藤氏は近くの大人達を会話に加えて下さった。
自分達の話を頭ごなしに否定する人がいなかったのは、大人達も既成政党に対して失望感を抱いていたからだ。
ネット上に構築するバーチャル政党の可能性。
そんなテーマでの議論を楽しめる人が親父の作為によって集められていたのは間違いない。
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