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はじまり-06 [シトワイヤン-01]

翌々日の昼休みは、シミュレーションゲームの話を切っ掛けに人間関係の話題が。
「人間関係って互いの好感度によって形成されるのかしら。」
「そうだな…。」
「ねえ、好感度の低い人とも付き合っていかないとダメなのよね、嫌でも。」
「愛華って見た目は明るくて性格もポジティブだと思っていたのに結構ネガティブなんだな。」
「最近、嫌味な感じの女子がいてね、何か僻んでるっぽいのだけど。」
「そういう人は、基本的に無視すれば良いのです。」
「清香はそれで友達減らないの?」
「友人は量より質、幸い大学に入り質の高い友人が増えましたので、勿論今後交友関係は広げて行きたいですが…、愛華が好感度の低い人とも付き合って行くべきだと考える根拠は何かしら?」
「そうね…、場の雰囲気とか…、人に嫌われたくないでしょ。」
「世の中色んな人がいるのだから、自分を嫌う人がいても良いと思います、その人の事をこちらが積極的に否定しなければ何とかなります。」
「もしかして清香は修羅場をくぐり抜けて来たとか?」
「いえ、一応、好感度を落とし過ぎない様にして来ましたので。」
「意識的に?」
「ええ、でも、必ずしも高い好感度を持って貰う必要はないのです。」
「人によって感じ方が違うからな、う~ん、人間関係について好感度以外の要素は…。」
「利害関係が有るだろ。」
「あっ、そうね、利害関係的に親しくしなくてはならない人、その人の好感度が低かったら最悪かも。」
「好感度の高い人との絆を強め、その人と仕事をして行けば良いんじゃないのか?」
「それが一番だけど、一緒に仕事をして行く好感度の高い人を見つけられなかったら…。」
「ブラック企業に就職してしまったら難しいかもな。」
「はは、好感度どころでは無いね。」
「でも、ブラックな一面を持っていても企業として成り立っているのなら、全員がそうとも限らないし、むしろ、客にとっては低料金、高サービスで企業の好感度は高いのかも知れない。
一部の従業員が酷い目に遭っていても客は気にしないだろ。」
「客と企業の利害関係か。」
「そう考えると、好感度の高い悪人もいそうです。」
「人それぞれ価値観が違うからな、とても良い人なんだけど私利私欲しか頭にない、私欲の為に愛想良くしていても好感度は高くなる、純粋な人でも自己表現が下手だったら好感度は低くくなるのかな。」
「利害関係、価値観の相違が好感度に大きく影響しますが、愛華が感じてるのは相手の態度、相手からの自分に対する好感度の低さが、愛華視点で、彼女の好感度を下げているという一面は有りませんか?」
「そうね、そんなところなのかな…。」
「愛華の美しさに嫉妬してるのだったら、二人の人間関係は改善されそうにないな…、愛華は学友との人間関係に悩んでいるみたいだけど、清香はどう?」
「そうですね、大学に入って楽になりました、色々と。」

にっこり微笑む清香の、色々と、が気にはなったが、午後の講義が始まる。
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