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化け猫亭-04 [化け猫亭-22]

「中村さん、猫桜会は短期間で業績を伸ばしていますが、どうしてそれが出来たのか、その発展に係わって来た一員としてどうお考えですか?」
「おっ、猫桜会を千咲ちゃんの研究対象にしてくれるのかな?」
「はい、お願いします。」
「そうだな、特別な話しにはならないかも知れないが、イメージ戦略の成功は大きかったと思うね。」
「宣伝効果ですか?」
「ああ、加奈さまを猫桜会の象徴、白猫組を導いた女神さまとして世間に知らしめた、それが作り話では無かったから、今では本物の女神の様に崇めている人がいるだろ。」
「はい、白猫組を桜さんに引き継がれてから更に神格化が進んでいますね、テレビ番組で神様目線のコメントを求められても、それを上手くこなされて、美と愛の女神、本当に素敵です。」
「裏では、猫桜会の仕事をされているのだが、それを伏せて女神としてのイメージを大切にしてくれている、地上に降りた女神が若手実業家と結ばれて、更に愛を貧困層に向けてとね。
そして黒猫組組長、藤井隆也の存在、硬派をアピールしつつ白猫組とは違う角度から貧困層を救うヒーローとして表に出ていてくれる、後は、桜さんや小夜さんといった美女達のサクセスストーリーと黒猫組や猫又組のストーリーが、良いイメージを広げて来たと思わないか?」
「あっ、特に気にしていませんでしたが、そこには戦略的な意味合いが…。」
「千咲ちゃんは、猫桜ブランドをどう思う?」
「良い商品に限定販売という付加価値を付けた事によって成功したと思います。」
「女神さまと黒猫組組長が消費者の心をくすぐりながらという側面を見落としていないかな。
加奈さまと藤井組長達が提供する商品、そのイメージは、小手先の販売手法だけでは成し得ない効果が有るのだよ、桜さんの出産に伴う関連商品が今でもバカ売れなのも、幸せそうな夫婦、黒猫組と白猫組の関係といった、色々なプラスイメージがあいまっての事だよ、勿論、質もデザインも良いと購入者に言って貰えるだけの製品を猫桜会全体で検証しながら提供している事にもよるが、新しいブランドとして『猫桜』が認めて貰えた事はとても大きいね。」
「そう言われてみると…。」
「ブランド名だけで有難がって高額な商品を購入する人がいるだろ、『猫桜』のブランド展開はそういう人達を顧客に取り込みつつ、誰にでも手が届く普通のお菓子も猫桜パッケージで売り出している。
それは大人のお菓子が如く扱われているが、食べればコンビニで売ってるのと同じ美味しさだろ。」
「はい、それでも服に合わせて買ったり『猫桜』限定だからと買う人がいて色々売れてるみたいです、大学の友人にもトータルコーディネートを…、残念ながら、まだ衣装に内面が追いついていないのですが…。」
「猫桜会の象徴達が作り出したイメージと『猫桜』のブランドイメージ、勿論良い商品、良いサービスを提供しているが、このイメージ戦略が成功していなかったら、ここまでの業績アップはなかっただろうね。」
「そういう戦略ですか…、戦略というのは各世代のモデル達、その個人的なストーリーを紹介しているのもそうですか?」
「勿論さ、嘘の無い様々なストーリーを通して『猫桜』ブランドの専属モデルに光を当てる、オーデションに落ちた話や失恋、片思い、結婚や離婚、それぞれの人生を感じて貰う事でそのモデルと彼等が身に纏う衣装に注目して貰えるのさ。」
「そう言えば、猫桜会は有名なモデルを起用しないですよね。」
「お金のある人に仕事をあげる必要は無いだろ。」
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