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黒猫組-08 [化け猫亭-20]

「中村さんは『猫桜』もう行かれました?」
「勿論さ、うちも関係してるからね、うちの商品が品切れになってる所を妻と見てきたよ、恵美ちゃんは?」
「もう三回行きました、今までの店とは何か違いますよね。
品切れという事は中村さんの会社は数量限定商品を提供しているのですか?」
「ああ、売り切れる事が前提、だが売り切れまでが早かったから第二弾を前倒しする事になったよ。
恵美ちゃんは三店同時オープンで勝負している『猫桜』の展開、理解出来てる?」
「えっと、黒猫組が主導、猫桜ブランドとして猫桜会傘下の企業から…、最大の特徴は多くの企業が特別に猫桜ブランドとして統一感有る商品を提供している事ですよね。
展示スペースには全く別会社の商品で、一つの部屋をトータルコーディネイトしていました、お酒のラベルにも拘って。
でも売り切れ前提では利益が限られませんか?」
「そうでもないんだ、数量限定で販売しているのは質の良い高級品、猫桜限定仕様で利益率も高く設定して有る、今回は猫桜会以外の企業にも参加して貰っているが、製造効率を下げない数量でも限定仕様なら確実に売り切れる数量を予測しての製造販売、効率良く利益を挙げているのだよ。
店のスタートで想定以上は有っても、想定以下はなくてね。」
「う~ん…。」
「黒猫組が提案したのは、猫桜ブランドを立ち上げ、仕入れた商品を定価で売り切る効率的な販売形態。
売れ残りを安く捌く必要がないし、電化製品等でも一か月以内に売り切るという目標が達成されてバックヤードもすっきりしてるそうだよ。」
「でも、欲しい人が買えないという事も有るのですよね。」
「そこだよ、買えない場合も有るから価格が維持出来る、薄利多売とは真逆なんだ、売れ残りを安売り、という事がないからね。」
「あっ、そうか比較的高価な商品でも、売り切れると思うとつい買ってしまうかも知れませんね。
でも、猫桜限定パッケージの飲料等はコンビニと同じ価格で売られていました。」
「ラベルが違うだけでも、他では買えないからバカ売れなのさ、自分の為だけでなく友人への贈り物としてのケース買いが多いみたいだよ。
他では買えない商品を全国三店舗だけで販売してる事で効率の良い商売になってる、加奈さまや藤井組長のファンは増えてるし、黒猫組で売り出しているアイドル達も売り上げに貢献出来るまでに成長したからね。
問題はブランドとして定着させる事が出来るかどうか、お金持ちが率先して買いたがる様なブランドに出来たら成功だ。」
「やはり、飽きられるとか有りますものね。」
「だからデザイナー達は必死だよ、猫桜ブランドのイメージをどう守り、どう発展させて行くか、この企画はデザイナーの力量に掛かっているからね。」
「大変そうです、猫桜をモチーフにした、のほほーんとした漫画のアニメ化も関係しているのですか?」
「ああ、猫桜会のイメージアップを狙っているが『猫桜』の新店オープンに合わせてね、今度は二店舗同時になる。」
「あの漫画、都会のスタイリッシュな女性が田舎では、のほほ~んとしてるギャップが面白いのですが、初めから『猫桜』の展開を意識してたのですか?」
「そうらしいね、黒猫組には策士がいるのだよ、『猫桜』の取り組みは猫桜会の結束に繋がるだろう。」
「野菜の販売も前から準備していたのですか?」
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