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子猫組-22 [化け猫亭-19]

「あっ、子猫組の大谷組長でしょ。」
「ホントだ、大谷さんとは二度目だね、今日は?」
「はい、今日から化け猫亭スタッフになりましたので、よろしくお願いします。」
「そうか、ならば…、千沙ちゃん、皆さんとの場をセッティングしてくれるか?」
「はい、スーパー新人のお披露目ですね、すぐに準備します。」

「大谷組長が化け猫亭のスタッフになってくれるのは嬉しいよ、でも子猫組組長をやりながらだと大変じゃないのか?」
「組長の座は後輩に引き継いで行き、私は今まで弱かった対外的な部門を担当する事に、ようやく二十歳になりましたので、化け猫亭へは桜さんと松田さんが推薦して下さいました。」
「はは、子猫組の事は自分達で無く君に聞けという魂胆なんだな。」
「でしょうね、化け猫亭から給料貰って子猫組の仕事をすると言われましたので。」
「無理の無い範囲で良いから、シフトは沢山入れてくれな、化け猫組のメンバーは子猫組の事が気になってしょうがないんだ。」
「何時も気に掛けて頂いて有難う御座います、子猫組白猫組一同本当に感謝しています。
金銭面の支援だけでも有り難いのに、子猫組のイベントにも参加して下さって、大人の男性との触れ合いは子ども達にとって、とてもプラスになっています。」
「たまに参加しているが、お兄さん達ほど役に立ってないと思うぞ。」
「いえ、普通に両親がいる家庭で育っても大人との付き合いは限られ、親と教師、後は親戚ぐらいだと聞きました。
子猫組の子ども達は社会的地位も有る皆さんから色々な事を感じ取っていますし、私達は皆さんが色々な形で子猫組を守っていて下さると教えています。」
「加奈お嬢さまに守られていると感じてくれればそれで良いと思うのだが、女神さまを心の拠り所にしてる子が多いと聞いているよ。」
「それは、教えるまでもなく、加奈さまが神格化されているのは事実で私も敬愛しています。
でもどうしてこんなにも皆さんに慕われているのか、学生の一人は研究対象として加奈さまを中心とした集団の分析をし始めました、今は自身の卒論を意識しての事ですが、近い内に女神さま関連の研究室が猫桜総合学園でスタートすると思います。」
「確かに社会学的に考察したい…、大谷さん、私も研究室の一員になれるのだよな?」
「勿論です、興味の有る事を共に研究する、そのスタートには何の制約も有りません。」
「言葉尻を捕らえる様だが、先々は制約が生じるという事かな?」
「研究室を構成する人数が増えたら当然組織化等が必要になります。」
「だろうな、宗教的な見方をする人がいれば集団心理学的に掘り下げる人もいそうだ。」
「猫桜総合学園は講座と研究室からと聞いていたが、研究室は増えて行きそうなのかな?」
「はい、ネット上で構築される研究室だけでなく猫桜総合学園中央研究所も動き始めますので。」
「研究室や研究所、講座が集まって大学になると考えて良いのかな?」
「ええ、猫桜総合学園はその方向で進んでいます、研究する者の集まりとして既存の大学とは一線を画す、でもハイレベルな存在にしたいです。」
「なにげに話を聞いていたが大谷さんは猫桜総合学園にも大きく係わっているの?」
「いえ、情報が入って来る立場にいるだけで大した事はしていません。」
「公式に流せるうんと前の情報に接しているみたいだが…。」
「はい。」
「ああ、うらやましいよな。」
「ふふ、それを皆さんにお話させて頂くために化け猫亭のスタッフになったのですよ。」
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