SSブログ

子猫組-17 [化け猫亭-18]

「そうだな、いきなりは無理か、まずは基礎から…、それでも自力で生活出来る子を増やすのだろ。」
「ええ、イベントの前座から経験させますが、イベントに係わるお金の流れや社会の仕組みを理解させたいです。」
「イベントの裏方に高校生、というのはどう?」
「そうですね…、人手は足りていますが、職場実習として考えてみても良いです、前座の子ども達も仲間が多くいた方が安心でしょうから相談してみます。」
「取りあえず、子猫組の名は出さず、猫じゃらし組…、う~ん、猫じゃらし隊の方が良くないか、まあそっちを全面に出していけば子猫組の微妙な問題は気にならないと思うな。」
「ですね、どういうユニットで売り出していくのかはまだ先の話ですが。」
「子猫組の問題としては不登校の子か…。」
「思い切って、寮の中に法的根拠の何もない猫桜総合学園を作り、そこの児童生徒としました、籍は公立校に置いたままですが。
子ども達は行きたくない学校へ行かなくて良いと宣言されて落ち着いたそうで、学習への取り組みが改善されたと聞いています。」
「進学を考えている子はいるのかな?」
「学園の授業は社会の仕組みだったり労働に関する事など、自力で生きて行く力を重視し、進学より就職に重きを置いています、でも、個々の事情に合わせた教育を実践しているとの報告が届いていますので、進学希望の子にも対応していると思います。」
「指導は学生が?」
「ええ、正式な学校とは認められていませんから、教員資格を必要としません。
指導に問題がない様に、大学生達は相互に注意し合っていると聞きました。」
「学生にとっても実習の場なのだね、子ども達にとっては社会性が問題になるのかな。」
「安心出来る環境内で有れば普通に人とコミュニケーションを取れているみたいです、病的な要因の強い子は専門家に診て頂いてますが。」
「普通に就職出来るのかな?」
「技術家庭科の授業を通して可能性を考えると聞いています、自分の作った物が売れたら自信に繋がるかも知れません。」
「成程、柔軟に考えているのだね。」
「企業に就職するだけではなく、お店で働くとか選択肢を増やして考えて行きたいとスタッフは考えています。
それは普通に学校へ行ってる子に対しても言える事で、芸能活動もその一つですが、子どもが憧れる花屋さんとかケーキ屋さんなら猫桜会に有りますし、無ければで作ってでも、真面目に考えてる子どもの後押しをしたいと思っています。」
「希望者が偏る事はないのか?」
「偏っても構わないでしょう、それに応じて事業規模を拡大すれば良いだけの事、猫桜会にはそれだけの力が有ります。
まあ、花屋さんから生産農家への道も有りますし、現実と向き合ってから考えて貰えば良いのですよ。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。