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子猫組-14 [化け猫亭-18]

「千沙ちゃんは守秘義務、大丈夫かな?」
「はい、化け猫亭での会話は誰にも話しません、というより政治経済や社会問題に興味の有る友人はいないのです。」
「それは可愛そうだ、早く馴染んで他のスタッフと仲良くなってくれな。」
「はい、皆さん優しく教えて下さいます、先日はCAT'S TAILでパフェを奢って頂きました。」
「うん、では社会福祉法人猫桜会の新たな動きを教えてあげよう。」
「児童養護施設や保育所の運営母体ですね。」
「我々化け猫組は社会福祉法人猫桜会の傘下に別の社会福祉法人を入れる方向で調整していてね。」
「所謂吸収合併ですか?」
「形式はまだ協議中でね、法的な問題も有り自治体の関係者にも協議に参加して貰ってるよ。
子猫組の児童養護施設出身者が自分の育った施設の老朽化を訴えたのが発端でね、うちの資金力を活かし組織的にまとめた方が効率的、建て替えに伴って白猫組のシェアハウスや保育所、直営店を併設したり、猫桜会のシェアオフィスや店舗を一部に入居させるとか考えているんだ。」
「大きく投資して先々の利益を確保しようという事ですか?」
「ああ、児童養護施設そのものは利益を生み出さないからね。
白猫組が係わる事は子ども達にとってプラスになる、白猫組の掟はすべての子を自分の子だと思って接する、まあ出来てない人もいるが、子ども達に愛情を持って接してくれてる人は少なくないんだ。
親からの愛を受けられなかった子達にとっては安心出来る存在かな。」
「児童養護施設の職員とは立ち位置が違うのですか?」
「うん、職員と連絡を取り合いながら子ども達の心のケアをしている、彼女達の子ども等も姉や兄として面倒を見てくれているのだよ。」
「子猫組を白猫組の力を借りて拡大、と考えれば良いのですね。」
「ああ、調整している施設の子は全員子猫組のメンバーに、それと大谷組長からは県内の児童養護施設で保護されてる高校生全員を子猫組の一員に出来ないかとの打診が有ってね。」
「可能なのですか?」
「多少問題は有るだろうが、彼等が子猫組の一員として安心して社会人となって行けるのなら、私達は保護する子どもを増やす事に躊躇いは無いし、各施設の職員も喜んでくれると思う。
費用面は、彼等が猫桜会傘下の企業に就職する確率が高くなるという事で何とかなるだろう。」
「進学希望の子が多いと学費が嵩むと思いますが。」
「目標がしっかりしている子であれば、黒猫、猫又だけでなく化け猫組も動くよ、学習指導はCAT'S TAIL STAFFも応援してくれる。」
「そうでした、化け猫亭のスタッフになるまでCAT'S TAIL STAFFの事は知りませんでしたが、かなり幅広い活動をしているそうですね。」
「メインは経営経済関係の学生だったからね、一つの大学から多くの参加が有る訳でも無いが、参加大学が増えたから人数もね、京都にもCAT'S TAILを誕生させたし、学生よる全国展開を目指しているよ、大学の近く限定だがな。」
「私も交流したいのですが、まだ…。」
「本気なら、猫桜総合学園がきっかけになると思うよ。」
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