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子猫組-11 [化け猫亭-18]

「とりあえず役割分担は決まったのかな、大谷組長、子猫組拡大に伴うメンバー管理の問題はどうだった?」
「藤沢組長に相談したら、うちでも担当者を置かないとだめだって、データベース構築は猫又組で手伝って下さるのだけど、それを管理するのは子猫組だからと。」
「そうか、それなら俺の実習かな、その担当は俺しか有り得ないだろ。」
「ただのデータベースでは無く、定期的に更新され子ども達の現況が分からないと意味無いのだが真司に案は有るのか?」
「勿論無い、だが、猫又組と係われるのなら、そこで見つける事が可能だと思うんだ。」
「子どもが自分で深刻ないじめに遭っていますと報告出来れば簡単だけど、難しいだろうな。」
「データベース更新を複数の友達や親、教師に委ねるってどう?」
「全く問題の無い子の場合は逆効果にならないか、親はともかく教師の負担を増やすべきではないし。」
「データベースに拘らず、子猫組の子が仲間の異変に気付いたら通報、というシステムはどう?」
「子猫組の仲間だという意識はどうなんだろう、共同生活が短かった子や年少組は難しくないか、ニュータウンみたいな規模なら心配ないのだが。」
「小中学生の子猫組コミュニティーに一般の子達が加わり始めているのだろ、あそこの親達は意識が高いからそれを自然に実践出来る、だが、他ではな。」
「子猫組をもっと社会にアピールして理解を深めて貰う事は出来ないのかな?」
「う~ん、分かるけど、諸刃の剣じゃない?」
「学校に馴染めてる子に好奇な視線を向けるという事か。」
「そう、逆にいじめの原因となったら意味ないわ。」
「熱血漢組組長は、いじめの相談が殆ど無くなったと話してたから、問題は転校して行った子や地方支部の子達だな。
何処に誰がいるかは確認したい、データベースは簡単で良いから必要だと思う。
それで、いじめ問題への対処は子ども達と相談するのが一番早いと思うんだ、寮から出た子達とは親にも協力して貰って連絡を取り合う、というか、子どもに問題が有ったら子猫組に連絡する様に伝えて有るだろ。」
「今まで大きな問題は無かったわね、まあ、親に問題が有ったら私達ではどうにもならないのだけど。」
「大丈夫でしょ、問題の有る親は寮かシェアハウス暮らしを続けて貰ってるから。」
「少し心配なのは、このまま問題の有る親だけが残り続けたら寮やシェアハウスの環境が悪くなってしまわないかという事なんだけど。」
「ええ、それは桜さんも気にしてみえて対策を検討中、寮内で子どもと離している様な親は別施設へ移す方向よ、残された子のケアは私達の役目になるわね。」
「ああ、母親から虐待されるって、最低の気分だったからな。」
「いじめの問題は洋平の言う通り、子ども達と話し合ってみたいわね。」
「うん、この寮は辛い事が有ったら何時でも帰って来られる場所、嫌な事が有ったら逃げて来られる様にしておこうぜ。」
「だよな、児童養護施設では高校を卒業したら帰る所では無いと言われてて不安だったわ。」
「猫桜会子猫組には帰る場所が有る、みんな、頑張りましょ!」
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