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猫又組-04 [化け猫亭-16]

「薬物関係も監視システムで何とかならないのか?」
「まだ微妙ですね、今は、黒猫組所属の県警OBに、法律を気にしながら警察との良い形を模索して貰っていますが、効率的な連携は難しそうです。
それでも、何件かの販売ルートを調査中しています。
繁華街で明らかに薬物中毒的行動を取った連中は、特別監視対象として監視カメラに写る度にピックアップしています、まあ、そこからはお話し出来無いのですが。」
「あ、ああ、その辺りは警察に出来ない事なのかな?」
「ええ、警察にまともな監視体制は有りませんし、情報収集能力と…。」
「法的な限界か…、猫又組の組員達は自分がグレーゾーンの仕事をしていると知っているのか?」
「はい、勿論です、監視チームのメンバーは違法性を理解した上で、警察に出来ない事をして犯罪を減らして行こうと考えています。
チームの存在が世に出てしまった時は自分が責任を取りますが、犯罪を減らす為の行為を裁判官がどう判断するか見てみたいですね。」
「危険性は?」
「猫又組の仕事はオフィスや自宅のみです、今の所、こちらの動きに気付いている監視対象者はいません、彼らに近づくのは黒猫組ですが、同じ人物が近付く事の無い様にしています、例え監視カメラの設置という作業で有ったとしても。」
「そうか、でも最後は警察に委ねるのだな。」
「状況によります、薬物中毒に至ってなければ…、警察も大変でしょうから。」
「黒猫組へ?」
「ええ、そういう人物には、そっち系の情報が入り易いかも知れません、一から教育し直す必要は有りますが、まあ、薬物をやめられそうな人のみ保護するという感覚ですので、対象者は出て来ないかも知れません、後は県警OBから情報を流して貰って警察にお任せですね。」
「無理しないでくれな。」
「はい。」
「あっ、本間の登場か、女の子達は嬉しそうだな…。」
「すいません、今日は本間と約束が有りまして。」
「そうか、色々な話、有難うな、仕事の事は部下に指示しておくよ。」
「お願いします、では失礼します。」

「藤沢組長お待たせ。」
「いや、こちらが早く来過ぎたんだ。
でさ、山猫組組員が世に出したら思いっきりやばいソフトを暇つぶしで開発してね。」
「やばいのか…。」
「スマホに入れとけば、その利用履歴すべてを遠くから確認出来るだけでなく、通話が始まったら自動で録音も可能なんだ、勿論GPS機能も。」
「そ、それは…、面白い、完全にブラックじゃないか。」
「だから、遠隔操作でアンインストールする機能もついている、と言っても、むやみにインストール出来ないだろ、今は特定の人物を狙ってインストールさせる手段を検討中なんだ。」
「動作テストは?」
「こっそりやっているが、そろそろ監視対象者のスマホでも試してみたくなってね。」
「なら…、まずは監視対象の黒猫組組員からか…、適当な理由をでっちあげてインストールさせるかな…、そうだ、メールにエッチな画像を添付してそこからとかはどうだ?」
「それなら簡単だ、動画にしておいて見終わる頃にインストール完了で良いだろう、念の為映像を途中でキャンセル出来ない様にしておくかな。」
「組内の監視対象者は十三名、全員喜んで見るだろう、問題は監視を安心して任せられる人物だな。」
「この件に関しては山猫組に任せる、問題行動を発見したらすぐに報告して貰うという形でね。」
「安心なのかな、山猫組の全貌を把握しているのは猫田組長だけなんだろ。」
「はは、小夜の遊びでも有るからね、でも他人の秘密を盗み見ても、それを研究に役立てる様な人物、勿論口の堅い人を監視者に選んでいるそうだ、監視対象者の近くにいる人より冷静に監視出来ると思わないか?」
「そうだな…、そのプログラムは対象者一人に対して監視者一人に限定出来るのか?」
「その辺りの設定は調整出来る、私のスマホは小夜だけが監視出来る状態だが、複数にする事も可能なんだ。」
「はは、藤沢は猫田組長に監視されていたいのか?」
「何の問題も無いと安心していて欲しいのさ、まあ、本気を出せば色々誤魔化せるが、必要ないからね。」
「成程…。」
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