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猫田組-06 [化け猫亭-15]

「本間、君の所の組長はいつの間にか桜さんと親しくなった様だが、君の目から見て二人はどうなんだ?」
「良いんじゃないですか、桜さんは恋人として見て欲しいのに姉弟としか見て貰えないと嘆いていますが、意外なぐらい真面目に、その…、遊びではなく真剣みたいです。
藤井は組の立ち上げも有り、しばらく緊張の連続だったのが、桜さんとの時間を持つ様になって、少し、いえ、かなり落ち着いたと思います。」
「桜さんは絶対年上志向だと思っていたのだがな。」
「ご本人も戸惑ったみたいですよ、弟にしたいナンバーワンとして見ている内に藤井の大きな可能性に気付き、色々な感情が渦巻いたそうで、自分は素直に告白したら、と、後押ししました。」
「へ~、そうだったのか…、でも良いのか秘密の話を気軽にして。」
「秘密も何も、ご本人が結構話しています、皆知ってますよ、恋する乙女はその恋心を人に聞いて貰いたいのではないでしょうか。
自分は藤井の話も聞いてますので、ただ見守るだけです。」
「そうか…、で、そういう君はどうなんだ?」
「今の所、独占欲の強い人はNGだと表明しています、学生時代に窮屈な思いをしましたので。」
「今は特定の人と付き合ってる訳ではないのか?」
「はい、言い寄ってくる女性達を見極めている段階です…、麗華さんが佐藤の心を射止めた事で、自分に対する圧が少々…。」
「大変そうだな。」
「社会的ルールが有りますからね、一夫多妻を法的に認めてくれたら平和になるのに。」
「はは、そうなったら結婚出来ない男が増えてしまいそうだな。」
「そうでしょうか、結婚出来る女性が増えるだけだと思いませんか?」
「う~ん…。」
「夫との距離をおける事で離婚が減るかも知れませんし、大家族のメリットが有ると思うのです、まあ独占欲の強い人には無理でしょうが。」
「だろうな…、藤井くんともそんな話を?」
「彼等は真面目に結婚を考えていまして、それを対外的パフォーマンスとして活かせないかと相談されています。
黒猫組の事がマスコミに取り上げられる様になって来ましたので、二人の事が変な形で広まる前に婚約発表ぐらいはして欲しいです。」
「もう、そこまで進展しているのか…、焦るのもどうかと思うが。」
「桜さんは、藤井を若い内から束縛したくないそうで、子どもを授かったら形式上離婚してシングルマザーでも良いぐらいに考えています、でも藤井は責任感が強いです、早く結婚して堂々と同居したいと話しています。」
「そうか…、それなら組長の婚儀…、組織内の慶事として早く発表したいものだな。」
「そうですね、婚約発表か結婚発表をさせて披露宴の準備に入る方向で行きましょうか。」
「三毛猫組の誕生ともタイミングを合わせたいな。」
「はい、まずは猫田組長と相談してみます。」
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