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猫田組-05 [化け猫亭-15]

「本間さん、お久しぶり。」
「お久しぶりです、桜さん、今日の衣装はシックでとてもお似合いですよ。」
「有難う、黒猫組の方は如何?」
「色々揉めながらも、何とか当初予定していた業務を猫田組から引き継いだ所です。」
「藤井五級組長と顔を合わせる機会が有っても、少ししかお話し出来なく…、黒猫組の事は気になっているのですが…。」
「藤井は頑張っています、立場が人を成長させるのでしょうか、日々成長してると実感しています、自分も負けていられないですね。」
「若頭としてのご活躍は色々耳に入ってましてよ。」
「はは、鹿沢桜社長には遠く及ばないレベルです。」
「ふふ、短期間で追い抜くつもりなのでしょ?」
「まあ、鹿沢社長の所は拡大より安定を重視してみえますからね、学生組織の拡大は時間を掛けるべきです。」
「ええ、それでも地元では佐藤さんが大きな構想を表明、化け猫亭のマスターとも後押ししようと話していまして、黒猫組の次は三毛猫組になりそうです。」
「佐藤も頑張っていますね、新店舗だけでなく、個人経営の店を取り込んでグループ化し相乗効果を上げると言ってましたが。」
「はい、動き始めました、業種関係なくエリアの活性化を提案し始めています、本間さんの方は如何です?」
「そうですね、大きなテーマとしては、加奈お嬢さまの活動と化け猫クラブや猫田組の関係を整理したいと思います、化け猫組の皆さんも同意見です。
加奈お嬢さまをシンボルに、より多くの人を仲間にして行こうと藤井と相談しています。」
「ふふ、藤井くんとは仲が良いのね。」
「まあ、友達以上ですね。」
「あの~。」
「どうしました?」
「ねっ、ねえ…、彼って…、年上の女性はだめなのかな…?」
「えっ、もしかして狙っているのですか…、彼をおもちゃにするのなら許せませんが、彼にとってプラスになる事を考えてくれるのなら…、あいつ恋愛経験乏しそうだから傷つけないで下さいよ。」
「本間さん的にはだめじゃないのね?」
「桜さんが真面目に考えているのなら、変な女に引っ掛かるより…、甘えられる姉的存在はいても悪くないと思います、もし、悩みとか話したら自分にも教えて下さい。」
「良いなあ、優しいお兄さんなんだ。」
「自分だけではないです、黒猫組の幹部は藤井組長を色々な意味で守って行きたいと考えています。
俺達で盛り立てて、俺達で守って行く、そういう存在なのです、桜さんが中途半端な気持ちで組長に近付くので有れば許しません。」
「そ、そういう感じなんだ…、恋愛感情有りで、彼の事をもっと知りたいと思っているのは本心なのだけど…。」
「何かきっかけが有ったのですか?」
「弟にしたいナンバーワンと思って見てる内に気持ちが…、御免なさい、本間さんになら相談しても良いのかなと思ってしまって…。」
「桜さんに、そういう一面が有ったというのは意外でした。」
「本当に御免なさい、自分でもどうして良いのか分からなくて…。」
「何人もの男性から告白されて来たのでは無いのですか?」
「軽い男に応えていたら自分も軽くなってしまうでしょ、芯の有る人から告白された事は無いのです。」
「分かりました、藤井組長との席をセッティングさせて頂きます。
仕事がらみの方が話し易ければそうしますし、仕事を離れてという事なら適当な理由を作って調整します。」
「有難う御座います、仕事の相談もしたいので…、でも…、本間さんがあっさり受けて下さって嬉しいです。」
「藤井は自分達が背伸びさせてる部分が有ります、桜さんなら年上の女性として、姉、母、恋人、どのポジションになっても安心そうですので。」
「う~ん、母にだけはなりたくない様な…、でも母性本能をくすぐられるのよね。」
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