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猫田組-01 [化け猫亭-15]

「猫田組長、今日は子分が多いですね。」
「まあ、必要ないと思いますが念の為ガード担当の武闘派を連れて来ました、目障りにならぬ様言い聞かせて有りますのでお許し下さい。」
「組長に何か有ったら身を挺してお守りするのだな。」
「ここにいる全員を守ってくれますよ、彼らにとっては趣味の範囲で、防弾チョッキなどを身に着け銃刀法に違反しない程度の武器を所持しています。」
「今日の企画はそんなに危ないのか?」
「全然安全なのですが、念の為なのと、こういうパフォーマンスをやりたい連中を楽しませる為です、完全に恰好だけの輩も混じっていますのでコスプレだと思って下さい。」
「確かに…、あの女の子はエロ恰好良いな…。」
「組長、モニターの準備が出来ました。」
「ご苦労様、では始めましょう。
本日は猫田組の影、山猫組の披露となります、これまでもこれからも表には出さず活動費も猫田組ではなく個人的に出して行きますが、化け猫組の皆さんには、その存在と活動を知っておいて頂きたいと今日のイベントを企画しました。
山猫組組長はその正体を知られたくないという事でこの場におりません、こちらの映像を見ながら音声のみの登場という事をお許し願います。
服部、準備は出来てる?」
『勿論です。』
「では、お願いね。」
『はい、組長。
皆さん音声のみで失礼します。
まずはモニターをご覧ください。
化け猫亭近くに写っているのは、週刊誌関係の人物です、全く普通の人にしか見えませんが普通では考えられない回数と時間、監視カメラに写っていましたので個人情報を探らせています。
盗撮目的だと確認が取れていますが、それ以上はまだ不明です。
同様なのが、今、映像が切り替わりましたこの人物と、それから…、この人物です。
所属が探り辛く、情報を掴んだらどこに売るのか等は、まだ分かっていません。
そして…、こちらの彼等は指定暴力団がらみだと判明しています。
猫田組で組を抜けた人を受け入れている関係から探りを入れている様です。
全体では大きな組織ですが、彼等は末端のチンピラです。
一応、何か有りましたら猫田組武闘派クラブが皆さんをお守りします、ただ、大した連中では無いと調査済みですのでご安心下さい。
今日のミッションは、盗撮目的の人物側から、チンピラに向けて殺傷能力のない物を、音のしない発射装置を使って飛ばします。
まずはモニター左側の人物近くを通る者達がアタックを始めます。
モニターの右側が先程ご紹介したチンピラです。
では今から、チンピラを挑発して行きます。』
「あっ、動き始めたな。」
「猫田組長、今飛ばされたの何ですか?」
「小さな氷の粒です、今は当たっても痛くない様な速度で発射されていますが、少しずつ強くして行きます。」
「だからチンピラも落ち着いているのか…。」
「飛んで来た方向を見ていますね。」
「人を確認したみたいだな…、あっ手元までは見えないから…、怒って駆け寄って…、喧嘩になりました…。」
「まさにチンピラの喧嘩だな。」
「大丈夫なのか…?」
『ヒットマン達はすでに現場から離れていまして、そのまま地下鉄で帰宅します。』

「あっ、警官が来ました。」
「これでお仕舞ですかな?」
「今日はこれで充分でしょう、服部、お疲れさま。」
『はい、こんな形で継続して行けば奴らも、そして私達も楽しめるでしょう。』
「なんか子どものいたずらレベルだったが…。」
『山猫組は猫田組長のいたずら実行部隊でも有るのです。
今日挑発した連中が今後どんな行動を取るのか、そして張り付いてる盗撮狙いの人達がどう動くのかを見ながら、猫田組長と次のいたずらを考えて行きます。』
「しかし、法的に微妙では無いのか?」
「誰かがドジを踏めば首謀者の責任、服部も私も腹を括っていますよ。」
「はは、対象者が余程発狂して人に大きな危害を加えない限り問題ないのだろ。」
「ええ、可愛い子分にくさい飯を食わせたくは無いです、ただ、その可能性も受け入れた連中が山猫組、私もくさい飯を食う覚悟で、いたずらを考えています。」
「違法と判断された場合の事まで考えているのだよな?」
「はい、せいぜい不起訴になるレベルで企んでいます。
ですが、何かしらのアクシデントが無いとは限りません。
最悪の場合は、高い塀で囲まれた施設内で暮らす事になりますが、看守の目を盗みながら新たな人脈を築くというのも楽しそうでは有りませんか。」
「組長が塀の中にいる間、組員達はどうするんだ?」
「そういう時こそ、誰がどう動くか見えるのですよ。」
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