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大下穂香-07 [化け猫亭-13]

「暴力的な事はしないのだよな?」
「それは組員次第、カッとなってやってしまう様な人も受け入れるつもりですので。
被害者への補償を考えなくてはいけないから、頑張って稼がないといけません。」
「それって…。」
「被害者への補償が出来ない状況で殺人や傷害事件を犯すよりはマシでしょ。
薬物から抜け出せない組員の指導中に事故が起きるかも知れないし、突然他の組の組員に襲われたら自分の身は自分で守って欲しいわ。」
「う~ん、どんな組織になるのか…。」
「会社組織と同じですよ。
十人程度集まった時点でスタート、健全な元犯罪者受け入れ組織として発表するつもりです、今は三人が研修を受けています。」
「マジなのか…。」
「私はいつだって真面目です。」
「組長ね…。」
「組員が増えたら私の前に勢ぞろいさせるの、気持ち良いと思いません。
そうね、姉御と呼ばせるか姉さんと呼ばせるか…、やっぱ組長が一番かな。」
「遊びじゃないよね?」
「勿論よ、加奈だって腹を括って大勢の人を保護してるでしょ、半端もんはうちで面倒みて行くという感じ。」
「だが、そういう人達だと…、非合法な事をしてでも金儲けを考えたりしないのかな。」
「若い人は分からないけど、ムショ暮らしを経験して歳を重ねると違うみたい、一応各自の力関係を考慮しながら資金の流れを明確にする事で不正を防げないか考えているのだけど、結果を出した人は少しぐらい見栄を張れるだけの給料にすれば良いかも。
まあ、知能犯は来ないでしょうから心配いらないかも知れません。」
「実現したら、社会の底辺を変える事になるのかな?」
「すぐにどうこうは無いでしょうが、仁義を守り人様に迷惑を掛けない組織が健全に大きくなったら、ホームレスとかも取り込んで行きたいかな、社会の暗部を知るには、そこと真面目に向き合わないとダメでしょ。
県警も出所後の行動が把握し易くなるというメリットが有り協力的、普通は次の犯罪を犯すまで関わりにくいみたいで。」
「だろうな、そのまま健全に生きてくれるのが一番だろう。」
「高川さんも猫田組傘下の組長になりたかったら言って下さいね、うちは上納金とか必要有りません、組員を養う資金が不足する様ならこちらから出しますよ。」
「小さな組の組長か…、私には幼稚園のチューリップ組ぐらいが精一杯かな。」
「猫田組傘下のチューリップ組、厳つい組員が百人とか良いですね。」
「はは、チューリップ組では組員が集まらないだろ。」
「可愛らしくて良いじゃないですか。」
「どこまで真面目なんだか…。」
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