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高松加奈-37 [化け猫亭-11]

「なあ、我々サポートスタッフは既婚者のみだけど、独身男性にもお兄さん役として参加して貰うのはどうだろう?
実際に子どもの面倒をみる事で、結婚を考える機会になりますね、場合によってはスタッフの再婚相手ですか。」
「そうですね、子どもの人数が増えましたから、こちらとしても人数がいれば楽になります、うちの独身を誘ってみるかな。」
「そうすると、もう少し組織をしっかりしないと行けませんね。
きちんとしたサークルにして…、事務作業はうちの独身にやらせますよ、堂々と加奈さんの写真を飾っていたので少し話した事が有るのです、おじさん役をやってくれると思います。」
「ならば、名前だけでもリーダーは佐伯さんにお願い出来ますか?」
「私は構いません、本当に名前だけですが。」
「そうそう、深沢さん、お風呂当番を経験して如何でしたか?」
「はは、沢山の孫に囲まれて楽しかったよ、まあ、ささやかな性教育もして来た、お爺ちゃんとお風呂に入りたいという女の子もいて交代で背中を流してくれたよ。
父親との想い出を話す子がいれば、父親の事を何も覚えていない子もいる、私はそれを受け止めてあげたいと思った、大人しく入浴出来る子限定だったからか少し落ち着いて話せてな、中村さん、良い提案をしてくれたね。
それで、やはり人数は増やした方が良いと思う、二人ではとても足りないと感じた。
後、子どもの入浴時間は八時までだが九時ぐらいまでは母親達の話し相手になってあげて欲しい。」
「十時までには寮から出るという事で良いでしょうか?」
「いや、九時で良いと思うよ、話が長くなる可能性が有りそうだろ。」
「あっ、そうですね。」
「自分は、来週の予定なのですが、気を付けるべき事とか有りますか?」
「風呂でのマナーは有る程度守れているから、それほど気にする事はない、ただスタッフからは虐待の兆候に気を付けて欲しいと言われた。
変な傷を負っていないか、規模拡大に伴なって色々な母親がスタッフになっている、全員が離婚か夫との死別を経験しストレスを抱えていると考えた方が良いそうだ。
表面化していればフォロー出来るが、子ども自身が隠している虐待は見つけにくいそうだよ。」
「分かりました、心して…、でもあまり緊張していては子ども達も心を開きませんよね。」
「はは、その通りだな、まあ、世の中には親としての役割をほとんど果たしていない奴もいるだろ、そんなのよりは、たまにしか会わなくても良いお爺ちゃんになれるんだよ。」
「私はお父さん路線なのですが…。」
「これで、加奈さんもスタッフ達も少しは楽に出来るかな、加奈さんと伊藤さんへは私から連絡しておきます。」
「ではサークルの連絡先はなるべく早く皆さんにお伝えします。」
「サークルのウエブサイトも藤沢くんにお願いしようか、費用は私が持つよ。」
「それなら、メンバーも公募しましょう、多少危険では有りますが問題行動を起こしかけたら即退会という事でどうですか?」
「実際に行動を共にしてみないと分からないからな、臆病に成り過ぎていては前へ進めない。
でも、入浴に関しては人物を見極めてからだな。」
「ああ、私たちは、部族の保護者として気を付けて行こう。」
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