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高松加奈-36 [化け猫亭-11]

「深沢さん、今日は加奈さんや小夜ちゃんがいなくて寂しそうですね。」
「いやいや、そんな事はない、中村さんこそ寂しいのだろ。」
「はい、そうなのですが…、深沢さん、加奈さんの事が心配では有りませんか?」
「ああ、頑張り過ぎてるかな、真面目で優しい、会社の力で最大限の社会貢献を考えている、スタッフに任せていると言っても要所要所は自身で確認しているみたいだ、時間的には余裕が有ると話しているが精神的にはどうなんだろうな。」
「我等が女神さまに彼氏でもいれば良いのでしょうが、誰も紹介出来る人物に心当たりがないなんて…。」
「そうだな…、我らが女神さまを安っぽい男に紹介したくないと、どうしても考えてしまうからな。
う~ん…、それより、社員を一気に増やしているが、管理体制が弱いと思わないか?」
「あっ、そうですね、社員達も慣れないのに頑張っています、その辺りの組織作りは我々がバックアップして行かないと、部族長の伊藤さんも大変だと思います。」
「今いる、化け猫クラブメンバーと相談するか?」
「そうですね。」

「…、確かに、二十歳そこそこの子が中心になって素人で形作られている会社ですものね、中村さんは何か案が有るのですか?」
「藤沢くんが頑張ってる部門以外には頼れるプロの管理職を置くのはどうでしょう、加奈さんとスタッフの間に立つという形で良いと思います、今、管理業務に就いてる人達だって小さなお子さんをお持ちの素人な訳ですし、流れで責任を負ってる面が有ると思うのですよ。」
「しかし、誰をその立場にするんだ?」
「時間に余裕の有る人ですが…、彼女達は何とか自分達で会社を回しています、必要なのは相談出来たり、見守っていてくれる存在ではないでしょうか。
お父さん役、お爺さん役から、彼女達に疎まれない人物が一歩踏み込んで、というのが理想ですが。」
「年寄りは要らん事を言いそうだ、かと言って現役世代は自身の仕事で余裕が無いだろ、私達で雇うか?」
「そうでも無いですよ、うちは小夜ちゃんにアドバイスして貰って組織改革を進めた結果、かなり余裕が出来ました、前は随分無駄な事をしていた訳です、私が役職についても構いませんよ、藤沢くんにも興味が有りますし。」
「杉浦社長なら安心ですが奥様は大丈夫ですか?」
「妻も気にしているんだ、寮へサポートに行った時、もう少し余裕が必要だと感じたそうでね。」
「男性の管理職が居れば加奈さんに相談しにくい事を相談してくれるかも知れません、杉浦社長ならスタッフや子ども達とも面識が有って適任だと思います。
その結果を見ながら、増員とか考えて行きますか。
自分も今、余力を持とうと試している所です、成功したら、もう一歩踏み込んで手伝って行きたいです。」
「うん、中村さんを動かしているのは何ですか?」
「杉浦さん、ゴルフやってるより楽しいからですよ。」
「はは、だよな。」
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