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高松加奈-29 [化け猫亭-10]

「小夜お嬢さまは、どうされたのでしょう?」
「なあ、藤沢くん、小夜ちゃんとは何を話していたんだ?」
「主に会社の話です、加奈お嬢さまの事業を如何に発展させて行くか、彼女は絶対成功させたいと話してくれましたので、私も全力で頑張ると意見交換をしていました。」
「坂田さん、小夜は…。」
「藤沢くん、小夜ちゃんと付き合いたいと思うか?」
「そうですね、知的美人で、でも、彼氏がいますよね。」
「お主に彼女は?」
「いませんよ、引きこもってましたから。」
「藤沢さん、小夜に彼氏はいません、彼女は理系の秀才に憧れが有りまして、一度食事に誘って上げて欲しいのです。」
「あっ、御免なさい、気付くのが遅くて、加奈お嬢さま、小夜お嬢さまと親しくさせて頂いて宜しいですか?」
「はい、勿論です。」
「ふ~ん、藤沢くんとしては加奈さんと仲良くなりたいのではないのかね?」
「えっ? お嬢さまは女神さまですよ、私の様な僕はお仕えするだけです。」
「小夜ちゃんも結構な才女なのだが。」
「ですよね、話が合いそうです。」
「話が合ったのか?」
「ええ、余計な話が入らなくて、頭の悪い子と話してると十分掛かるところが、彼女とでは一分で済みます。」
「ふふ、これは面白くなりそうね、藤沢さんが真面目に小夜と向き合って下さるのなら、私は全面的に協力しますからね。」
「それは必要有りません、小夜お嬢さまのお気持ちは分かりませんが、加奈お嬢さまが作って下さったきっかけ、後は自分で何とかします、お嬢さまはお忙しいのですから。」
「残念、二人の進展具合を楽しみたかったのにな。」
「お嬢さま、今日初めて会ったのですよ、小夜お嬢さまも迷惑かと思います。
自分も美しい女性と話せて少し舞い上がっていますが、男らしく振る舞いたいです。」
「うん、戻って来たら二人で話の続きをしたら良い。」
「いえ、もう少し坂田さまの会社の事を教えて頂きたいです、ウエブサイトだけでは掴めない事が色々有りますので。」
「そっちは、担当者を付けるから連絡を取り合ってくれないか。」
「あっ、失礼しました、宜しくお願いします。」
「なあ、今は給料安いのだろ、大丈夫か?」
「はい、親と同居であまり使わないですし、これから会社を伸ばし黒字にして行きます、小夜お嬢さまからは新規事業を立ち上げても良いと、自分の給料は自分で稼ぎますよ。」
「加奈さん、随分頼もしい僕だね。」
「はい、それだけに他のスタッフには会わせられないのです、争奪戦が勃発しそうで。」
「藤沢くん、小夜ちゃんに断られても、子持ちで良ければ結婚相手は選びたい放題だ。」
「それは考えていませんでした、加奈お嬢さまの事を知って行く過程で、女神さまに自分の一生を捧げたいと思っての応募でしたので。」
「筋金入りの僕なのか…、でも小夜ちゃんの事も考えてくれな。」
「はい、ですが、そこまで小夜お嬢さまを私に勧めて下さるのは何故ですか?」
「小夜ちゃんが頬を赤らめて照れる姿…、なあ、加奈さんも見た事なかっただろ?」
「はい。」
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