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高松加奈-16 [化け猫亭-09]

「桜さん、CAT'S TAILスタッフに色々お願いしていますが大丈夫ですか?」
「問題ないわ、皆、新たなクエストを待ち望んでいたのよ、今は一号店メンバー、二号店オープニングメンバー、加奈お嬢さまサポートメンバーに分かれつつ有るのよ。
少しスタッフを増やし過ぎたかな~、というタイミングだったから助かったわ。
まだ先の事だとは思うけど、店のオープンやシェアハウス関連で学生の力を借りたくなったら遠慮せずに言ってね。」
「有難う御座います。」
「それで、私の方は化け猫亭のお客様向け宿泊施設建設計画を進めていてね。」
「ホテルですか?」
「別荘とホテルの中間、老後は田舎暮らしをしたいという人に体験して頂く場であり、近くに菜園やお花畑をと考えているの、管理の大変な部分は地元の方にお願いしてね。
田舎と言っても遠くないから気軽に行き来出来るのよ。」
「規模にもよりますが、かなりの費用が掛かりそうですね。」
「加奈の事業ばかりが注目を集めている訳ではないの。」
「あっ、私は、お客様方に大きな負担を強いていませんでしょうか?」
「大丈夫、宿泊施設建設はお客様個人の負担と化け猫亭で、加奈の事業は主に企業の資金を使うのだから、つまり、同じ人を通していても、お金の出所が違うのよ。
私の方の事業はちょっとだけ田舎を元気にするという目的も有るのだけど、もし、加奈のスタッフに田舎暮らしを体験してみたいという人がいたら、施設の管理運営をお願いしたいと考えていてね。」
「環境的にはどうなのです?」
「一度遊びに行きましょう、小学校は近いのだけど、取り立てて魅力が有るかと言うとそうでもない、だから、お客様方の社員も巻き込んでエリアを整備して行く事も考えていてね、その過程で企業の枠を越えた社員同士の交流が有っても良いでしょ、そういう社員向けの部屋も用意するけど、名古屋は通勤圏内、日帰り出来る田舎なのよ。」
「すごい僻地ではないのですね。」
「ええ、お客様の中にはゴルフ帰りにそのまま帰宅出来るところを、そこで飲み会を開いて一泊してから帰宅というパターンを想定いていらっしゃる方も。
加奈の方で人が集らなかったら、地元の人に声を掛けて貰うけど、一応、古いけど家の用意は出来そうなの、決まったら綺麗に改装するからね。」
「分かりました、ただ、改装は子どもが住む上で危険の無い程度で充分です。
スタッフに提供している古い社員寮ですが、改装の提案に対して、子どもが傷つけたりする事を考えたら古いままでと言われましたので、その代わりリフォームは自由としました。
子どもと一緒に壁に紙を貼って落書きとかしているそうです。」
「壁に落書きなんて、私が幼い頃は考えられなかった…、でも、そうね成長すれば普通の子なら落書きして良い場所とそうでない場所の判断ぐらいはつくよね。」
「何の裏付けも有りませんが、町中で落書きしている連中は幼い頃から家庭環境に問題が有ったのでは無いかと思うのです、そうで無かったらただ単に頭の悪い人達ですね。」
「一応、育った環境というのを考慮して上げてるんだ。」
「そこは本人の責任と言い切れないです、親の責任だとしても、その親の生活環境も考慮した時、まずは、子育てを落ち着いて出来る環境を整える事が犯罪を減らす事に繋がると思いませんか?」
「そうね、貴女の子ども達を大切に育てましょう。
でも、良い環境で育てられた筈のお偉いさんが収賄で逮捕されたりするのだから、犯罪は無くならないわね。」
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