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高松加奈-15 [化け猫亭-09]

「小夜、田中洋子さんの案件は見てくれた?」
「ええ、あのままでは色々難しいと思う、で、どうするの。」
「あの案をベースに店をオープンさせて、そこで働いて貰う、自分の店に拘るのなら、田中さんにはいずれの独立を提案して置けば良いでしょ?」
「修行の場を提供する訳ね。」
「場所を選んで朝食や昼食も提供し夜は居酒屋、ターゲットも従業員も朝昼晩と変えてとかどうかしら、土日と平日でメニューを変えても良いかな。」
「悪くはないけど問題は場所とメニューね、朝食の需要ってどうなのかな?」
「朝食の売り上げが伸びない様なら、昼と夜に絞るか…、逆に単身者の需要を掘り起こす事に挑戦。
あっ、場所によっては子ども達の朝食を提供するとか、客が増えるまではうちのスタッフに食事を提供する事で流行ってる感を演出するとか、どう?」
「そうね、まずは小規模店を運営しながらスタッフのスキルアップやメニューを充実させる事にして、社員寮の近くで開業しても良いのかな、客が少なかったらお弁当を作ってCAT'S TAILで売って貰うのも有りね。
取り敢えず桜さんとも相談してCAT'S TAILスタッフにも情報を流してみようか…、でも開業資金は幾らぐらいを想定してるの?」
「そうね、五千万ぐらいでどうかしら。」
「そんなに?」
「シェアハウスの建設はスポンサーの方々にお任せなのよ、お父さまが用意して下さる一億の使い道って、今の所あまりないでしょ。
店が成功すれば回収出来るし、店で店舗スタッフの再婚相手が見つかったらおめでたいじゃない。」
「加奈って思ってたより楽天家なのね。」
「そうじゃなかったら、取り敢えず大赤字から始まりそうな事業を始めてないわよ、でも、いざ始めてみたら多くの方々の支援が有って、私が間違わなければ大丈夫、私が間違えそうになっても小夜や桜さんがいるしね。」
「貴女を楽天家にしてしまったのは化け猫亭なの?」
「ふふ、そうかも。」
近くに保育所を併設するのなら、父子家庭のお子さんを積極的に受け入れるのも有りね。
お父さんが子どもと朝ご飯を食べてから、保育所に子どもを預けて出社なんて、新たな出会いが期待出来そうじゃない?」
「バツイチ子持ち同士の再婚ってイメージ出来ないのですけど。」
「私達、まだバツイチまでは遠いものね。」
「結婚する前から離婚願望が有るの?」
「勿論幸せな結婚をして、家族仲良く暮らして行きたいと思っているわ、でも離婚率の高さがね…。」
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