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高松加奈-10 [化け猫亭-08]

「加奈さん、どう、事業の方は。」
「小さく始めています、まもなくウエブ上で進捗を確認出来る様になりますので、宮田さんも見て下さい。」
「それは楽しみだな、始まったのはどんな事?」
「まずは株式会社設立の準備です、それに伴う事業計画の作成、そしてシングルマザーを三人雇いました。」
「もう?」
「はい、家政婦として、ベテラン家政婦の指導を受けながらです、うちにも必要性が有りましたので。
資質を見極めた後は別の職場へと言う可能性も了解済です。」
「成程、三人分の給料を高松家が負担するだけで君の計画が進む訳か。」
「はい、能力の高い人には早目に職場を変わって貰いますが、とりあえずシングルマザーの声を直接聞く事が出来ます。」
「その中から君の会社の社員に、という事も有るのかな。」
「はい、そのつもりです。」
「子どもは何人?」
「二歳から五歳の五人です、今後の保育に関してはこれからですが、保育士を目指している学生にも相談に乗って貰います。」
「いっその事、保育園も作ったらどうだ?」
「あっ、そうですね、保育料無償化だから、維持費はあまり心配しなくて良いのかも知れません。
認可保育園にして、幼児教育を学んでいる学生が実習という事も視野に入れて…、宮田さん有難う御座います、もっと難しく考えていました。」
「はは、認可保育園を経営というのも簡単では無いと思うよ。」
「はい、子を預かるという事は大変な事だと思います、事故や病気の可能性は常に有りますので。」
「うん、それが分かっていれば大丈夫だろう、シェアハウスの一角を保育施設にすれば安心じゃないか?」
「そうですね、色々検討したいと思います。」
「スタッフはどんな感じなんだい、学生なんだろ?」
「はい、CAT'S TAILのスタッフから桜さんが紹介して下さいました。
三名が専属スタッフとして、私は彼等に依頼し彼等の報告を受けています。
彼等が必要を感じたら他のスタッフを動かしてくれます。」
「給料や必要経費の管理は?」
「それもお任せして有りますが、毎日私を含め多くの学生がチェックしています。
経費がどれぐらい、何に掛かるのか興味が有る人が多いのです。」
「そうか、CAT'S TAILと同様、生きた教材という事なのかな。」
「でも、本来、正社員が行う作業をバイト待遇の学生が進めていますので、金額的には参考にならないと思います。」
「学生達もそれぐらいは理解してるだろう、それより、家政婦として雇う人達の立場や給料は?」
「一旦父の会社で雇いますが、いずれ私の会社に移籍して頂きます。
今は彼女達の不利益にならない様、労働者派遣法とか職業斡旋法を小夜から学び始めた所です。」
「三人は簡単に決まったの?」
「はい、お爺さまと相談して決めた条件はひとまず彼女達が安心出来るものだったみたいです。」
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