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鹿沢桜-10 [化け猫亭-06]

「全然問題無いです、すでに高度プロフェッショナル制度を適用して頂いてる様なものですから。」
「小夜ちゃんから少し教えて貰ったが、すでに時給という感覚では無いのかな。」
「はい、今日は自分の判断でここにいますが、来なかったとしても月給は変わりません。」
「そうか、CAT'S TAILと化け猫亭の事を考えて…、私達との交流は管理職としての仕事でも有る訳か。
マスターからはどんな話を?」
「そうですね、任せられる人を見つけ、その人に任せる事が出来なかったら、管理者として無能だと言われてます。」
「そうか、労働時間は短くなければだめなんだね。
高度プロフェッショナル制度は長時間労働に繋がると言われているがどう思う?」
「本当に優秀な人は自分が潰れる様な働き方はしません、それ以前にまともな企業が優秀な人材を潰す様な使い方をしますか?」
「だよな。」
「ブラック企業が制度を悪用する事は問題ですね。
皆さんの中に、高度プロフェッショナル制度の対象になりそうな人はいるのですか?」
「適用されたとしても、あまり変わらない気がする。」
「うちは、制度に関係なく残業ゼロと有給を取る事を推奨しているよ、労働環境の良い企業なら優秀な人材が集って来るし、有能な人が辞めない、結果、効率良く利益を上げる事に繋がるんだ。」
「企業に良心が有ったら労働基準法とか必要無いのですね。」
「それを言われると少し耳が痛いな、うちはセクハラ、パワハラ関連から社内改革を進める事が出来つつ有るところなんだ、我が社をブラック企業にしたくないとは考えているが、改革を急ぐ必要が有るのかな。」
「労働時間でドイツとの比較を見せられると負けてる感が有りますよね。」
「だね、ドイツは残業しないで済ませるだけの能力が有ると考えるのか、日本は利益に貪欲過ぎるのか。」
「桜さんの月給は学生達に公開してるの?」
「いえ、CAT'S TAILからではなく化け猫亭の運営会社から支払われるという形になっていますので。」
「内緒なのか。」
「年収五百万ですよ。」
「おっ、大学四年生で五百万か…、マスターは太っ腹だね。」
「管理職として育てると考えたら多過ぎないね、優秀な学生は大企業を目指す、そこを…、でも、ここの運営会社って儲かってるのかな?」
「ふふ、店はマスターの趣味です、何で稼いでいるかは、想像して楽しんで下さいね。」
「趣味か…、マスターは謎が多いよな。」
「株で儲けていても驚かないしギャンブルが強くても不思議ではないね。」
「実は多額の家賃収入が有るとか。」
「桜さん、CAT'S TAILは借入なしでスタートさせたの?」
「はい、私が使える資金はまだ一千万ぐらい残っていますので、社会に貢献出来、且つ利益の出せる事業を検討中です。」
「羨ましいね。」
「やはり学生アルバイトで回すの?」
「そうですね、スタート時にはCAT'S TAILのスタッフに相談するつもりです。
あっ、そろそろ時間になりましたので。」
「お父上がお迎えに来られる時間か、私も帰るかな、桜さんの時間に合わせていれば怒られないんだ。」
「はは、親が認める夜のお店、化け猫亭ってホントに健全だよな。」
「桜さん、CAT'S TAILとかの進行状況はまた教えてね、楽しみにしてるよ。」
「有難う御座います、では、失礼します、おやすみなさい。」
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