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猫田小夜-42 [化け猫亭-05]

「たこ焼き買って来たよ、佳代ちゃん、これはそちらの皆さんでどうぞ。」
「有難う御座います。」
「小夜ちゃん、お待ちどうさま。」
「有難う御座います多田さん、一緒に食べましょう、でも熱過ぎるのは良く無いです、少し待ってて下さいね。」
「それで、小夜ちゃんは組長を目指してるのか?」
「まさか、考えているのは法の隙間を利用する事のない真っ当な会社の社長です、規模は小さいですが。」
「あっ、経営コンサルタントの会社は真面目に考えてるんだ。」
「はい、まだ動き始めたばかりで、自分のトレーニング計画を立てている段階です、でも、応援して下さる方は多いのですよ。」
「そうか、君の力が発揮出来る仕事だろうからな。」
「多田さんは応援して下さらないのですか?」
「勿論、応援するよ。」
「では、多田さんの会社が私の顧客になる可能性は如何です?」
「う~ん、うちの立て直しをお願いしたいとは思うが、セクハラ系のおやじが何人か居てね、彼等に小夜ちゃんを紹介する事は考えたくもないね。」
「そういうハードルも有るのですか…、でも立て直しを考える様な状況なのですね。」
「ああ、抜本的な改革を必要としてるのだが、社内の派閥とか力関係とか有ってさ、会社の幹部が私利私欲に囚われない高校生だったら、と思うぐらいだよ。」
「そうでしたか、まあ、たこ焼きを程よくほぐして適温にしましたら、はい、あ~ん。」
「もぐもぐ、あ~、思ってたより美味しいな。」
「でしょ、で、どうします、このまま嫌な事を忘れてお酒を飲むか、今後の対策を考えるか、因みに景気が上向いてますから転職という選択肢も有りますよ。」
「あっ、俺って?」
「マスターが言うには、最近、顔つきが厳しくなって、痩せて来たそうです。」
「そ、そうかな…。」
「多田さんは暴力団事務所で働いてる訳では無いですよね。」
「違うとは思うが、そう聞かれてしまうと…。」
「多田、もう全て白状して楽になったらどうだ。」
「小夜ちゃん、ここでその台詞?」
「では、かつ丼を用意しましょうか?」
「はは、有難う、たこ焼きで充分だよ。」
「では、問題点の整理をしてみましょう…。」
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