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猫田小夜-38 [化け猫亭-04]

「小夜ちゃん、髪を切ったんだね。」
「はい、髪の毛の為に使う時間が少し減りました。」
「そういう理由なのか、なら、もっと短くしても良いんじゃないのか?」
「多田さんは、私にショートが似合うと思いますか?」
「そう言われると…。」
「坊主頭が一番経済的で良いとは思うのですが、恋愛対象の幅を自ら狭くしてしまいそうで出来ないのです。」
「はは、坊主頭の女の子と並んで歩くのはファッションセンスも問われそうだ、色々な意味でハードルが高いな。」
「私としても服装をかなり考える事になります、持ってる服は坊主頭に合わないのですよ。」
「だろうな…。」
「この長さは色々計算した結果なのです。」
「なるほどね、お洒落も計算ずくなのか。」
「あらっ、なんか嫌な女みたいな。」
「いやいや知的で好きだよ、知的美人…、ねえ、ミス・アメリカで水着の審査を無くす事はどう思う?」
「賛否が分かれているそうですね、私はそういったコンテストに興味は有りませんので関係ないですが。」
「小夜ちゃんがミスコンに出たら良いとこまで行けると思うのだけどな。」
「でも、ミスコンってどうなのでしょう、美の基準なんて人それぞれです。
男性でモデルをやってる人には、私にとって気持ち悪いレベルで見たくないと思う人がいますよ、元野球選手の息子らしいですが。
コンテストの結果は審査員の好みや裏事情が決め手になっているのですよね…、ミスコンに限らず。」
「確かにそうだな、私もコンテストの結果に違和感を覚える事が有る。」
「客観的に数値化出来ない事で人に優劣を付けるなんて愚かしい事ではないですか?」
「だが、そのコンテストをきっかけに活躍の場を広げた人もいるからな、裏の事情は分からないが。」
「そういった分野にはあまり興味がないので良く分かりません。」
「そっか…、客観的な数値化として、フィギアスケートの判定ってどう思う?
昔はかなり不透明だったのが随分改善された、少しグレーな噂は流れるけどな。」
「演技の美しさに関する部分ですね。
羽生選手や宇野くんみたいな人と下位の選手の差って歴然としていませんか。
ジャンプやスピンをしていない時でも美しさが大きく違います。」
「確かにな、だが、歴然とした差が無い時の判断って微妙だと思わないか?」
「ルックスによる加点ですか、私がジャッジだったら思いっきりしちゃいますね。」
「だろ、金が絡む様な加点は無いと信じたいが。」
「多田さんのタイプは羽生選手ですか?」
「そうだな、羽生選手は…、あっ、俺は普通に女の子が好きだからな。」
「そこで慌てなくても大丈夫ですよ、私には関係有りませんので。」
「それは、それで寂しいのだが…。」
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