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猫田小夜-33 [化け猫亭-04]

「組織の拡大にはリスクが伴ないませんか。」
「そうだな、然程大きな組織で無くても内部対立が有ると、大きく動く時にそれが表面化したりとかするしな。
う~ん、名古屋に将棋会館…、リスクを考える以前に賛否が分かれるだろう…、如何にして今の将棋ブームを継続させるか、という視点で考えた上でさえ、馬鹿げた事だと思う人が少なからず居そうで…、全く分からないよ。」
「檜田さん、他の棋士にとってのメリットは、やはり少ないのですか?」
「新しい拠点が出来れば将棋イベントが増えて潤う人も居るだろう。」
「その辺りのマネジメントはどうなのでしょう?」
「日本将棋連盟の役員は現役が中心なんだ、相撲やレスリングの組織みたいに現役を引退した人では無くて、当然、知性派しか居ない、冷静な判断を下すとは思う。」
「今まで平和な組織だったのですか?」
「う~ん、そうとも言えないか、女流棋士が別組織を作ったり、不正疑惑が起きたり、それでも今は落ち着いている。」
「あっ、藤井聡太グッズはどうです、どう考えても需要が有るのに転売屋さんが儲かりそうな数しか用意出来ないなんて、頭の悪い人が担当なのでしょうか?」
「羽生さんが七冠を取って以来の盛り上がりだからね、今までの慣例に従って扇子を出したのだろうが、あれは大量生産出来る代物では無いんだよ。」
「紙は印刷ですよね?」
「扇子そのものが、元々大量に売れてる訳じゃないだろ。」
「だから違う商品で誤魔化しているのですか、それにしても、今の人気を考えたらもっとグッズを上手に作って売って行けば稼げますよ。」
「はは、小夜ちゃんらしいな。
ただ、高校生という事も有って、日本将棋連盟関係以外のタレント的な仕事はしっかり断ってるみたいだろ、そこがまた良いのだけど。」
「女流棋士にはアイドル的な活動をしている人が居るそうですが。」
「竹俣紅だね、でも、棋士と女流棋士では随分違うんだ。
棋士を目指す女性は今まで何人も居たし今も居るが、まだ棋士になれた女性は居ない。
女流棋士が男性と同じ棋戦に参加しても、なかなか勝ち進む事が出来ないのが現実なんだ。
女流棋士という制度は将棋の普及という面では大きいが、女流棋士が対局だけの収入で生活となると少し寂しいというのも事実で、将棋教室で収入を補っている人もいるよ。。
若い女流棋士が自分の力を多方面で活かす事を考えて悪くないし、女流棋士という肩書で活動する事は将棋に対する注目度を上げる事にも繋がるんだよ。」
「女としては悔しいです。」
「たまたま、将棋の世界では、という話だよ、でも、チャレンジしている女性は応援したい、里見香奈さんが棋聖戦で勝ち上がって藤井七段との対局となったら、私は里見女流五冠を応援するよ。」
「里見さんが勝てる確率は?」
「もちろん勝負事だから零では無いんだ。」
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