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神沢祐樹-144 [高校生会議2-23]

「祐樹くん、収録お疲れさま。」
「赤木さんと会うのは久しぶりですね、旅行には何時から?」
「昨日合流しました、この後しばらくリムジンバスの担当なので、よろしくお願いしますね。」
「はい、一段とお綺麗になられて、絵美、赤木さんには市民コーラスでお世話になったのだよ、就職で柿川を離れられたのだけど、うちの社員にもなって下さったんだ。」
「白川絵美です、宜しくお願い致します。」
「はい、あの…、楽になさって下さい、畏まられてしまうと困ってしまいます。」
「はは、何時もこんな感じだから気にしなくて良いよ。」
「それにしてもお綺麗な方で、なかなか特定の彼女を作らなかった祐樹くんが決心する訳ですね。」
「外見だけじゃないんだ。」
「ええ、昨夜、LENTOファンクラブの会合で散々聞かされました。
でも、人前ではあまりいちゃいちゃされないそうで。」
「はは、そんな話をされていては尚更出来ないな、高一のカップルがそういう所を見せたらアンチが増えるでしょ。」
「ですが、私が彼と付き合い始めた頃は我慢出来ませんでしたよ。」
「もう少し大人になったら仲の良さを独身男女に見せつけるのも有りかと思うけど、今はね。
まあ、見られている事が多いから気を付けている、でも、初めて出会ってから毎日会っているんだ、二人だけの時間も沢山持てて仲良くしてるよ、白川の両親が気を遣って下さるしね。」
「そうでした、羨ましい環境で…、高一にして結婚まで考え始めてるというのは本当ですか?」
「はは、絵美とはいい加減な気持ちで付き合えない、きちんと考えて絵美と話し合ってから、結婚を前提にお付き合いさせて下さいとお願いしたんだ。」
「う~ん、男だな~、私の彼ったらなかなか煮え切らないのよ、それで少し苛つく事が有って祐樹くんの話を散々してやったら少しへこんでた、他に女がいるとは思えないのだけど…。」
「収入面に不安が有るとか?」
「そうなのかな…、はっきり言わないけど年収は私の方が多いみたい。」
「岩崎関係では無いんだね。」
「ええ、でも仕事の愚痴はしない…、と言うか仕事の事はあまり聞いてないかな。」
「赤木さん、相手の事を知らなくて不安は無いのですか?」
「うっ、絵美お嬢さま…、そう言われると…、普段は他愛のない話ばかりだったのかも…。」
「まずは彼氏さんが、躊躇している理由とか聞いてみてはどう?
もし、仕事関係だったら相談に乗るよ。」
「はい…、あ~、私ったら、なに人生相談してるの、え~と、お茶は如何ですか?」
「今は良いですよ、絵美も大丈夫だから。」
「えっ? 絵美お嬢さまも?」
「祐樹さまは、何時も私の事を気に掛けて下さっていますので、私が今、全くお茶を必要としていない事はご存じなのです、赤木さんは彼氏さんの事気に掛けてらっしゃいますか?」
「まあ、一応は…、でも…、色々足りなかったのかな…。
お二人はお互いの事を深く考えてらっしゃるのですね。」
「出会ってから長いとは言えないけど、振られたくないからね。」
「まさか、祐樹さまは多くの女性から愛されていますので油断できないのは私の方です。
赤木さん、私がいないと祐樹さまはすぐ女性に囲まれるのですよ。」
「はは、だから何時も近くにいてくれないと面倒なんだ。」
「中学生の頃は大変そうだったものね、でも、さすがに結婚を前提って不安はないの、この先?」
「男女の別れ話は経験が無いから良く分からない、まあ、白川社長からは別れる事になっても養子となって、義理の兄、妹となれる様な時間を過ごして欲しいと言われているんだ。」
「違います、私の方が誕生日が早いですから、私がお姉さんですよ、でも、もう姉弟にはなれません、いえ、成りたくないです。」
「う~ん、人前で、いちゃつかないという話は…?」
「赤木さんが悪いのですよね?」
「ああ、俺達は悪くない。」
「は~、失礼致しました。」
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