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神沢祐樹-141 [高校生会議2-23]

「それは…、社員から愚痴が溢れるブラック企業とは真逆だという事ですね。」
「はい、今回の旅行を通してとても強く感じている事です、大きな声では言えませんが、祐樹さまは父とは比べ物にならない程社員に尊敬されているのです。」
「あっ…、はい…、白川社長もご立派な方だと思いますが…。」
「もちろんです、でも私に向かって父を尊敬していると話された方はほんの僅かです。
それに対して、祐樹さまの人柄は小学生の頃から素敵で、今は尊敬していると話して下さる方がとても多いのです。」
「我々は神沢社長のルックスと歌声に注目しがちでしたが、今日のお話しも高校一年生とは思えません、年間の売り上げがどこまで伸びるのか予測しづらいという話も聞いています。
異色の会社が順調なのは神沢社長の功績だと、絵美お嬢さまは考えておられるのですね。」
「はい、地方の活性化に向けての取り組みを、こんなに早く進める事が出来るとはスタート時点では誰も考えていなかったと思います。
それが可能になったのは社員一同、祐樹さまを中心に一丸となれたからこそ、そして我が社の拡大は、そのまま人々の幸福度を上げて行く事に繋がると多くの方が信じて下さっているのです。」
「会社としては、柿川フレンズ、ハンディをお持ちの方にお仕事を、といった取り組みがメインだと思っていましたが、地方の活性化に向けて取り組みとは、神沢社長、どの様な展開になるのですか?」
「そうですね、今までグッズの製造は全て外部に委託していましたが、少しずつ直営工場を持って行きたいと考えています。
その工場は過疎化が進み始めているエリア、まずは今回の旅で始めに滞在していた町にと考えています。」
「地方に雇用の場を、という事ですね、でも都市部の方が何かと便利だとは思うのですが。」
「何もかも東京中心ではバランスが悪過ぎます、自分は満員電車の映像を見るとぞっとします、知らない人と密着する様な距離感を好まれる方ばかりなのでしょうか。
そして、その一本の列車に乗ってる乗客の人数より人口が少ない、でも広大な土地を持つ集落が存在しているのです。」
「過疎と過密の問題ですね、解決策をお考えなのですか?」
「簡単ではないので実験的となる訳ですが、まずはパートさんが最低賃金レベルで働いておられる地域に、岩崎標準の給料を約束する工場を考えています。」
「インパクトは有ると思いますが、その様な工場が経営的に成り立つのでしょうか?」
「他社なら会社の利益目標を一億と考える所、その内の五千万は人件費に上乗せし、残りの五千万を会社の利益にするだけの事です。」
「人件費を抑えて企業の利益を、という一般的な企業とは違うという事ですか…。」
「増えた給料でLENTOのCDを買って下さるかも知れないですね。
まあ、金額としては僅かかも知れませんが、経済効果は有ると思っているのです。」
「一社だけ抜きん出た労働条件となると、その地の優秀な方を雇い易く成り、生産性の向上にも繋がりそうですが、他社から恨まれる事になりませんか?」
「なるでしょうね、その段階でどう考えて下さるかによって地域の活性化が進むかどうかが決まって行くと考えています。
刺激の少ない町にインパクトを与える事が出来れば、それだけでも成功と言えるでしょう。」
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