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神沢祐樹-131 [高校生会議2-22]

「今年の祭りは激ヤバだったな。」
「ああ、LENTOのお二人に失礼が有っては行けないからと、酒を控える事になって盛り上がりに欠けるのかと思いきや、なぁ…。」
「俺は疲れたよ、とにかくガードしないと絶対ヤバかっただろ。」
「でも収録風景を交代で見られる様にとの、お前の配慮は良かったと思うぞ。」
「こんな田舎で芸能人を見られる機会は無いからな、しかし、あの美しさは…、オーラが半端なかったよな。」
「カップルで金魚すくいをしている光景はまるで映画のワンシーン、見てるだけでドキドキしてしまったよ。」
「テレビで見るのとは全然違った、生歌には鳥肌が立ったぜ。」
「祭りの役員が、なんかどさくさに紛れてお願いしたのを快く引き受けて下さったと聞いたが、めちゃくちゃ得した気分だな。」
「計画の段階でグッズ販売トレーラーショップに違和感を感じていたのに、お二人が帰られた後、真っ直ぐに向かう俺がいたよ。」
「はは、LENTOに乾杯だな。」
「おう、かんぱ~い!」
「お前ら、神沢社長が、ここで工場を整備して事業展開を考えてるって知ってたか?」
「マジで?」
「ああ、もう、建物は確保済らしい。」
「賃料や人件費が安いからだろうな。」
「いや、賃料はともかく、人件費を抑える気はないらしいぞ。」
「そうなのか…、俺は今の仕事やめようかと考えていたのだが。」
「右肩上がりの会社をか?」
「業績は上がっても、給料はあまり上がりそうにないんだ、パートさんの不満を聞くのに疲れてきたしな、それで、何を作る工場かは聞いたのか?」
「お菓子というぐらいしか聞いてない、それよりお前は、社長令嬢と結婚して次期社長を目指すのではなかったのか?」
「はは、冗談はよせ、あんな性格の悪い…、容姿が絵美お嬢さまレベルなら迷うかもしれないが、金の為でも心は売れないぞ。」
「なあ、俺は、祭りにお二人が来られると聞いてから少し調べてみたんだ。」
「おっ、さすが優等生だな。」
「はは、それは高校生時代の話だろ、まあ、神沢社長は現役の高校生な訳だが、彼は地方を変えるという岩崎の考え方を踏襲しようとしているみたいなんだ、このエリアで。」
「根拠は?」
「まず、今回の旅行、このエリアを紹介する形で写真集とかを出す、今日の撮影もその関係だろ、そこに工場の話、グッズの製造は委託しているから、今まで直営の工場は無かったんだ。」
「ここに出来る工場は直営なのか?」
「ご自身で、あちこち挨拶回りをされたそうだからな。」
「例え小規模でも働き口が増える事は町にとってプラスだな。」
「そして健吾が話した通り、給与面の待遇は良いと思う、彼が展開している、障害者に働く場を、という取り組みでも、ここのパートより給料が良いんだ。」
「工場のパートは最低賃金に近いからな、それでも他に無いから働いてくれているけど。」
「そこに、時給の良い職場が出来たらどうなる?」
「動くだろうな、おばちゃん連中は普通に神沢社長の工場で働きたいと思うだろう、いや俺だって、ワンマン親父の下で働き続けるより…。」
「年商十億の会社、社長に成るチャンスを捨てるのか?」
「だから、そんな気はないって…、なあ、真面目な話、転職は早い者勝ちだと思うか?」
「微妙だな、今は押しかけボランティア社員が正社員になるという段階だそうで、新規採用に関する情報は何も無かった。」
「あっ、お前も転職を考えていたのか?」
「まあな。」
「ダメもとでコンタクトを取ってみようかな、工場関連で新規採用が有っても不思議じゃないだろ。」
「だな、思い切るか。」
「お前ら酔った勢いで大丈夫か?」
「俺は勢いだけじゃないぞ、オフィス白川の事は色々調べたからな。」
「俺の直感は、ワンマン親父より高校生社長について行けと、さあ、乾杯だ。」
「俺達の前途を祝して、かんぱ~い。」
「かんぱ~い。」
「はは、社員募集が有るかどうかさえ分からないのに…。」
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